キューデン・インターナショナル、エジプトで太陽光発電と蓄電事業、北アフリカ初
(エジプト、アラブ首長国連邦、日本)
カイロ発
2025年12月24日
九電グループであるキューデン・インターナショナルは12月18日、エジプト・アスワン県で1,000メガワット(MW)の太陽光発電所と600メガワット時(MWh)の蓄電池システムを建設すると発表
した。九電グループとして北アフリカにおける初の電力事業となる。
アラブ首長国連邦(UAE)の再生可能エネルギー開発企業アメア・パワー(AMEA Power)が60%、キューデン・インターナショナルが40%を出資して設立する事業会社が独立系発電事業者(IPP、Independent Power Producer)となってエジプト送電公社(EETC)と売電契約を締結、EETC向けに25年間電力を供給する。2026年中の運転開始を目指す。
海外エネルギー事業に注力しているキューデン・インターナショナルはアジア、アメリカ、中東・欧州地域で発電や送電事業などを開発・運営している。アフリカ地域では従来、コンサルティングサービスの提供やスタートアップへの投資に取り組んできたが、本プロジェクトは同社にとってアフリカ地域初の大型発電事業への投資となった。
同社ドバイ駐在員事務所の小森功太郎氏は「エジプトは再生可能エネルギーなどのポテンシャルが有望であり、豊富な若い人口や地理的優位性などを背景に今後の成長余地が大きく、注目している国の1つで、再エネ事業で急成長しているアメア・パワーと協業することも当社にとって大きなマイルストーンだ。2024年9月にジェトロ主催のエジプト再エネ産業ミッション(2024年10月3日記事参照)に参加したことなどを通じて、業界関係者とエジプトの電力事情やビジネス環境、将来性などについて意見交換できたことは本事業への参画検討に大いに役立った」と述べた。
これまで日本企業によるエジプトの再エネ事業は風力発電が中心だった。
住友商事はアメア・パワーと共同でラス・ガレブ地区のアミュネット陸上風力発電所を建設、2025年6月に商用運転を開始した(2025年7月25日記事参照)。アメア・パワーが60%、住友商事が40%出資するIPPで、25年間にわたってEETCに売電する。
翌7月には豊田通商が主導する、風力発電ではアフリカ最大となるスエズ湾風力発電所が商用運転を開始した。EETCに25年間にわたって売電する(2025年7月15日記事参照)。
キューデン・インターナショナルの1,000MWの太陽光発電所と600MWhの蓄電池システムは、太陽光発電所の設備容量で世界第4位、中東アフリカ最大を誇るエジプト・ベンバン太陽光発電所の設備容量1,465MW(2023年8月当時、2024年11月26日記事参照)と比較しても相当な規模だ。
(西澤成世)
(エジプト、アラブ首長国連邦、日本)
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