バルセロナで「Manga Barcelona 2025」開催、ジェトロは和牛や海産物をPR
(スペイン)
マドリード発
2025年12月19日
バルセロナで12月5~8日、スペイン最大級の漫画とアニメの展示会「Manga Barcelona 2025」が開催された。来場者数は16万7,000人と前年並みの高水準を維持した。東映アニメーションやバンダイなどの日本企業のほか、現地からプラネタ・コミックやノルマ・エディトリアルなどの漫画・コミック出版社、大手アニメ配給セレクタ・ビシオンなど312社・団体が出展。人気アニメシリーズ「カウボーイビバップ」の監督の渡辺信一郎氏と楽曲を手掛ける音楽プロデューサーの菅野よう子氏をはじめ、世界的に活躍するクリエーターも参加した。
Manga Barcelona 2025における調理実演イベント「NIHON RYORI」(ジェトロ撮影)
ジェトロは2023年から、同展示会で日本食のPRイベントなどを実施している。今回は、農林水産省から日本食普及の親善大使(注)に任命されているロジャー・オルトゥーニョ・フラメリッヒ氏を中心に、和牛の紹介や調理実演を行った。プロモーションした食材は、バルセロナの日本産食材サポーター店認定制度の認定店舗である高級食肉輸入会社ザ・ブッチャー・ソサエティが日本から直輸入した、A5ランクの宮崎県産「有田和牛」。
調理実演では、バルセロナの高級和食店「ノクセ(Noxe)」の小牟田和俊料理長が、牛丼やしゃぶしゃぶを紹介。1995年にスペインに来た当時は薄切り用の牛肉がなく、レタスで代用するなど、食材の調達で悩んだという。「今では日本から本物の和牛が入ってきているので、日本と同じ味を現地でも提供できる」と話した。
「Noxe」小牟田料理長の調理実演(左)、小牟田氏へのインタビューの様子(右)(ともにジェトロ撮影)
また、レストラン格付け誌ミシュランで3つ星を獲得した、バルセロナのレストラン「アバック(ABaC)」のカルロス・エルナンデス副料理長が、同店で仕入れる有田和牛や北海道産のホタテ貝、ハマチなどを使い、秋の季節に合った創作料理を紹介した。
「ABaC」による調理実演の様子(ともにジェトロ撮影)
オルトゥーニョ氏は「調理学校の学生やシェフを招き、和牛の部位や飼育過程について解説し、その魅力を広く深く伝えられた」とコメントした。試食では、「牛肉なのに食感がとても柔らかく、甘みを感じる」「冷めても旨味(うまみ)がしっかり残り、何度でも食べたくなる」など、非常に好評だった。
和牛の試食(ジェトロ撮影)
ジェトロでは、現地の日本食トレンドを踏まえたPRイベントを実施することで、日本コンテンツとの相乗効果を創出し、消費者や料理業界関係者に本物の日本食材の魅力を幅広く訴求していく。
次回Manga Barcelonaは、2026年12月5~8日に開催予定。
(注)海外への日本食・食文化や日本の農林水産物・食品のさらなる魅力発信に寄与する者を任命する、農林水産省の制度。任命された者は、プロの視点に立って海外の日本料理関係者らへ助言、農林水産省などが実施する事業などへの協力、各種メディアでの情報発信などを通じて、国内外への日本食・食文化などの普及を担う。
(イシアル・セラーノ、加賀悠介)
(スペイン)
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