第3四半期の実質GDP成長率が前期比0.5%に

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2025年12月08日

南アフリカ共和国統計局は12月2日、2025年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率(前期比、季節調整済み)が0.5%となり、経済活動が4四半期連続で上昇したと発表した(添付資料表1参照)。同統計局によると、生産(供給)側の10産業のうち9産業が第3四半期で前期比プラスとなった。支出(需要)側は、総固定資本形成、家計消費、輸出、政府消費の増加が牽引した(添付資料表2参照)。

供給面では、鉱業(前期比2.3%増)、農林水産業(1.1%増)、商業(1.0%増)が好調を維持した。鉱業部門では、マンガン鉱石、石炭、クロム鉱石、銅生産が好調で、特にプラチナ関連金属が牽引した。農林水産業部門は、畑作物、園芸、畜産品の生産増加に支えられ、4四半期連続でプラス成長を維持した。一方、電力、ガス、水道が、電力生産と使用量の減少により、2.5%減少した。水の消費も低迷し、業界全体の低迷につながった。

需要面では、全般的にプラスを示した。総固定資本形成(インフラおよびその他固定資産への支出)は3四半期連続減少の後、第3四半期では輸送機器への投資増加が牽引し、1.6%増加した。家計支出は6四半期連続で増加(0.7%)し、主に新車販売台数の増加に押し上げられた(添付表2参照)。

インベステック銀行のエコノミストのララ・ホーデス氏は、この成長は「経済の加速を反映しており、構造的な課題の一部が解決し始めている」とし、また「トランスネットの貨物輸送の改善、計画停電の終了、グレーリストからの南アの除外(2025年10月28日記事参照)、S&P格付け会社による格上げなどが、景況感の改善と投資誘致に役立つだろう」と述べている。しかしホーデス氏は、経済のいくつかの主要分野で大きな進展が見られるものの、企業の景況感は依然として低迷しており、「持続可能な雇用創出を促進するには不十分」と指摘している。

(トラスト・ムブトゥンガイ、多崎央)

(南アフリカ共和国)

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