ジェトロ、ニューデリー経営大学学部長らの来日に合わせて日本企業向けのイベント開催

(インド)

知的資産部高度外国人材課

2025年12月16日

ジェトロは11月26日、インドの首都ニューデリーの南部に位置するニューデリー経営大学(NDIM、注1)学部長らの来日に合わせ、同大学を紹介するウェビナーを東京で開催した。教育・研究機関や製造業・小売業などを中心に計51人の日本企業関係者が参加した。同ウェビナーは、日本企業と海外の有力大学との接点を創出し、海外の高度人材の獲得や協業の可能性を広げることを目的とした「JETRO Overseas University Connect」の一環だ。

ウェビナーでは、NDIMの日本語教育担当教員の藤原康枝氏から大学の紹介があった。NDIMは、1992年から国際的に活躍できる人材育成を行っており、就職率は100%を誇る。マーケティングや財務、国際ビジネスなど8つの専攻科目があり、うち2つを専攻する「デュアルスペシャリゼーション」形式を採用している。

写真 NDIMの大学紹介(ジェトロ撮影)

NDIMの大学紹介(ジェトロ撮影)

2年間のプログラムの中で、1年生の間に全員がインターンシップを実施する。2年生の前半のセメスターで就職活動を行い、最終セメスターとなる12~4月は大学との調整の上、内定を得た在インド日系企業での就業が可能となる。

次に、同大学の学生が、専攻科目に関する内容や、日系企業でのインターンシップの活動についてプレゼンテーションを行った。「協調性や周りへの配慮を大切にする日本企業は、長期的なキャリアを形成していくうえで理想的な環境だ」と述べた。

写真 日本語と英語で発表を行う同大の学生(ジェトロ撮影)

日本語と英語で発表を行う同大の学生(ジェトロ撮影)

質疑応答では多くの日本企業から、大学の制度や学生の特徴に関する質問が寄せられた。大学からは、「インターンシップは必須科目であり、全員が実施して卒業する」「日本語のカリキュラムの中では言語だけではなく、日本文化やビジネスマナーの教育も行っている。日本企業への内定決定後、企業からの要請があれば学生に対して追加の講義も行い、大学側でフォローを行う」などと回答があった。

NDIM学部長兼日本センターCEOのニキル氏からは、「2018年に日本センター(注2)を開設した理由は、日本が信頼・誠実・安定した雇用・努力・規律の5つの要素を兼ね備えているからである。日系企業への就職実績は有しているが、今後も日本企業との連携を強めていきたい」とコメントがあった。

ウェビナー終了後、会場では大学関係者、21人の学生、参加日本企業のネットワーキングを行った。日本企業とインド人学生間で活発な交流が行われ、IT人材だけでなく、文系学生の日本での就職に対する関心が高まっている様子がうかがわれた。参加した学生は「日本企業と直接コミュニケーションを取る良い機会だった、今後も日本への理解を深めていきたい」と意気込みを語った。

写真 大学関係者・21人の学生・セミナー参加者のネットワーキング(ジェトロ撮影)

大学関係者・21人の学生・セミナー参加者のネットワーキング(ジェトロ撮影)

(注1)NDIMは、2025年10月にジェトロが公開した海外大学ディレクトリーの掲載大学の1つ。ジェトロ海外大学コネクションデスクデスクを通して、日本企業は同大学とオンランで面談可能。詳細はジェトロサイトの海外大学コネクションデスク参照。

(注2)日本語・日本文化の教育だけでなく、在インド日系への就職もサポートしている。

(吉武果実)

(インド)

ビジネス短信 3c3097bc873f24e9