メキシコ経済省がUNDPと共同でビジネスと人権ガイドラインを発表

(メキシコ)

調査部米州課

2025年12月02日

メキシコ経済省と国連開発計画(UNDP)メキシコ事務所は11月19日に行った会合で、ビジネスと人権に関するガイドラインを発表した(経済省プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。ガイドラインは8つで、各連邦政府機関の政策や実務の中で、どのようにビジネスと人権の視点を取り入れるべきかを提言している。対象となった連邦政府機関は、内務省、労働・社会保障省、エネルギー省、環境・天然資源省、インフラ通信運輸省、農業・地方開発省、観光相、経済省だ。会合にはUNDP、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)、ILOといった国際機関のほか、メキシコ政府関係者や人権関連の市民団体などが集まった。

これらのガイドラインは、UNDPが日本政府と共同で進めるプログラム「ビジネスと人権(B+HR)アカデミー」の一環で作成されたもので、人権デューディリジェンス(HRDD、注)に基づき、予防的で一貫性のある公共政策の策定に寄与することを目的としている。ガイドラインは、各省の所管分野のうちビジネスと人権に関連するものを特定した上で、予防やリスク管理において実施するべき取り組みを提案する内容となっている。各省別のガイドラインは、経済省のプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます内にあるグーグルドライブのフォルダからダウンロードが可能だ。

会合に参加したUNDPメキシコ事務所のシルビア・モリモト代表は「人権DDの実施は人権保護にとって不可欠な国際基準となっている。この分野における法的枠組みや政策への国際的な関心はこの10年間で大幅に高まった」と述べた。メキシコ経済省のビダル・ジェレナス・モラレス工業商業担当次官も、国際的な枠組みと整合した国内制度が必要との認識を示した。

(注)企業活動での人権への悪影響を特定、防止、軽減し、その対応を説明するための継続的なリスク管理プロセス。

(加藤遥平)

(メキシコ)

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