エネルギー省が民間の再エネ発電プロジェクト20件を認可

(メキシコ)

調査部米州課

2025年12月23日

メキシコ・エネルギー省(SENER)は12月17日の記者会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、10月に優先投資枠の公募を行った、再生可能エネルギーによる民間の発電プロジェクト20件を認可したと発表した。20件のうち、15件は太陽光発電、5件は風力発電で、発電容量はそれぞれ2,471メガワット(MW)、849MWとなっている。総発電容量は3,320MWに上り、合計投資額は47億5,200万ドルを見込む。2027~2029年にかけての稼働を予定する(添付資料表参照)。

本公募は、民間発電事業者の参入拡大を目的に、2025年10月20日から募集を開始したもの。全ての公募案件の総発電容量は5,970MWに上っていた。必要な許認可の申請窓口を一本化するなど、優先的に発電許可や系統接続許可などの手続きを行う枠組みを設け、審査プロセスは最短2カ月で完了するとしていた。SENERによれば、合計で98件の申請があったという。

今回のプロジェクトは、電力部門法(LSE)に基づく電力卸売市場(MEM)での売電が前提となっており、分散型発電や自家発電、コジェネレーション(2025年5月1日付地域・分析レポート参照)は対象外だ。建設予定の発電所の所在地は、カンペチェ州、イダルゴ州、ユカタン州、グアナファト州、オアハカ州、タマウリパス州、キンタナロー州、プエブラ州、ベラクルス州、サカテカス州、ケレタロ州の11州だ。ルス・エレナ・ゴンサレス・エネルギー相は、2026年1月に2回目の公募を行う予定と述べた。

電力庁による発電・送電プロジェクトも加速

同会見では、電力庁(CFE)による発電所建設プロジェクトについても発表された。ソノラ州プエルト・ペニャスコの太陽光発電所の拡張工事を2025年末から2026年2月にかけて開始(注)し、合計580MWの発電容量を見込む。そのほか、2026年にコアウイラ州の太陽光発電所を2カ所で建設開始し、ドゥランゴ州、キンタナロー州、グアナファト州でも建設計画があることも明かした。送電プロジェクトについても、2026年に44件が計画されており、うち20件が第1四半期に公告開始、5~6月に3件、そして残り21件は第3・第4四半期に公告される予定とした。

(注)第3区画が2025年12月下旬に、第4区画が2026年2月に建設開始される予定。

(加藤遥平)

(メキシコ)

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