米年末商戦、感謝祭休暇5日間の買い物客数は過去最多に、物価上昇の影響も
(米国)
ニューヨーク発
2025年12月09日
全米小売業協会(NRF)は12月3日、米国の年末商戦の始まりとされる感謝祭から翌週月曜日(11月27日~12月1日)までの5日間の買い物客数を発表
した。実店舗とオンラインを合わせた買い物客数は2億290万人となり、2024年の1億9,700万人から増加した。NRFが同調査を開始して以来、2023年の過去最多(2億40万人)を上回った。
内訳をみると、感謝祭から5日間の実店舗への来客数は、前年同期比3%増の1億2,950万人だった。5日間のうち来客数が最も多かった日は、2024年同様、感謝祭翌日の「ブラックフライデー」(11月28日)で、1日の買い物客数は8,030万人となり、2024年の8,170万人をわずかに下回った。
他方で、オンラインでの購入者数は、前年同期比9.0%増の1億3,490万人だった。オンラインで買い物客数が最も多かった日もブラックフライデーで、買い物客数は8,570万人と、2024年の8,730万人からわずかに減少した。他方、オンライン販売のセール日とされる「サイバーマンデー」(12月1日)の買い物客数は7,590万人と、2024年の実績(6,440万人)を上回った。
NRFのマシュー・シェイ会長兼最高経営責任者(CEO)は同日の記者との電話会見で、買い物客数が「今シーズンの堅調なスタートを示している」とし、「今年の記録的な集客は、消費者がお買い得感を重視し、魅力的なプロモーションに強く反応している」ことを示していると述べた。
NRFは年末商戦期間(11~12月)の売上高が初の1兆ドル台に達すると見込んでいる(2025年11月11日記事参照)。
米調査会社ヌメレーターが実施した消費者調査(注)によると、買い物客の半数以上(64%)が、同期間のホリデーショッピングにおいて物価上昇が中程度から大きな影響を与えたと回答した一方、物価上昇が全く影響しなかったと答えたのはわずか9%(2024年調査時8%)にとどまった。
価格上昇が影響したと答えた過半数(53%)が「プロモーションやクーポンを探すようになった」と回答した。そのほか、「贈答品の購入を減らした」(42%)、「日用品の価格上昇により可処分所得が減った」(34%)、「いろいろな小売店で安価に購入する」(34%)など価格に敏感になっていることがうかがえる。
(注)2025年11月27日~12月1日に買い物をした9,199人を対象に実施。
(樫葉さくら)
(米国)
ビジネス短信 3500fb2610cbcd32




閉じる
