日系企業の営業強化・調達支援について、日系専門商社に聞く
(中国)
青島発
2025年12月02日
中国・山東省に進出する日系企業は、「中国市場での営業強化」「工場や倉庫の自動化」「調達先の多様化」「第三国市場への販路拡大」などの課題に直面している(2025年10月31日付地域・分析レポート参照)。こうした中、メーカー自身による展示会出展に加え、専門商社の活用も進んでいる。青島国際工作機械展覧会(2025年6月開催)で日系企業の支援を行った菱東貿易(上海)南通事務所の山脇和貴所長に、中国での取り組みや最近の動向について聞いた(取材日:2025年11月28日)。
(問)御社の中国での取り組み状況は。
(答)当社は、環境・エネルギーに強みを持つ機械総合商社、東京産業(所在地:東京都千代田区)の中国法人である。2006年9月に100%独資で法人を設立し、現在、上海本社のほか1つの分公司、3つの事務所を中国で展開している。山東省は南通事務所が担当している。主な業務は、(1)日本製設備の中国市場での代理販売(注)、(2)日系企業の調達支援、(3)中国製設備の東南アジアなどへの輸出である。近年は中国製設備の品質向上に伴い、輸出が急増している。
(問)調達支援の具体的な内容は。
(答)新規設備の納品に加え、既存調達先との比較検討のための相見積もり作成も対応している。工場移設時には、補助金申請に必要な総額評価のための見積もり作成も支援する。結果として、当社提案が採用されるケースがある。
(問)日系企業が専門商社を活用する際のポイントは。
(答)専門商社は得意分野で迅速なサービスを提供できる。中国のビジネス環境は急速に変化しており、日系企業は柔軟な対応が求められる。専門商社を含め、外部サービスの積極活用をお勧めする。
(注)代理販売は、営業活動に加え、販売決定後にメーカーから設備を買い取り、据え付け・試運転・アフターサービスまで対応する場合がある。
(皆川幸夫)
(中国)
ビジネス短信 34c7b88521797bde




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