再エネ支援スキームCfD第7回オークションの予算発表、次回以降に向けた検討も開始

(英国)

調査部欧州課

2025年12月23日

英国政府は12月8日、再生可能エネルギー(再エネ)支援スキームの差額決済契約制度(CfD、注)第7ラウンド(AR7)について、洋上風力発電以外の予算を発表した。10月27日に発表していた洋上風力発電の予算と合わせて、本ラウンドの予算は合計13億9,000万ポンド(約2,891億2,000万円、1ポンド=約208円)となった。

予算はポットと呼ばれる技術別の枠ごとに配分され、内訳は次のとおり。

  • ポット1(陸上風力や太陽光などの「確立された技術」):2億9,500万ポンド
  • ポット2(地熱発電や潮力発電などの「確立途上の技術」):1,500万ポンド
  • ポット3(洋上風力発電):9億ポンド
  • ポット4(浮体式洋上風力発電):1億8,000万ポンド

過去最大の15億5,500万ポンドとなったAR6の予算(2024年8月7日記事参照)からは減少し、特に洋上風力発電においては2億ポンドの減となった。また、AR6までの予算は2011/2012年度の消費者物価指数換算で発表されていたが、高インフレ期を経た昨今では真のコストがどの程度になるか誤解を招くリスクが増大しているとして、AR7の予算は2024年の消費者物価指数換算で発表された。英国国家統計局(ONS)よると、2012年から2024年にかけて39.3%のインフレが進行しているため、実際の減少幅は見た目以上となる。

再エネ企業の業界団体リニューアブルUKは、予算について声明を発表した。10月27日には、洋上風力発電の予算について、入札対象となる発電容量の4分の1相当の事業への支援にとどまるとして、予算の増額を求めた。12月9日の声明では、陸上風力発電の予算については歓迎の意を示した。

次回以降のオークションに向けた検討も開始

英国政府は12月16日、AR8以降のオークションに向けたCfDの改善案について意見公募外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを開始した。政府の提案には、AR7で適用された、過去のラウンドで放棄された容量を再入札の対象とすることの制限(2025年7月23日記事参照)の恒久化や、第3の洋上風力発電カテゴリーの新設が含まれる。後者について、現在は着床式と浮体式の2つのカテゴリーしかないが、英国政府は「深海域への設置に適している可能性があるが、現行の法的定義下では浮体式と見なされない、新たなハイブリッド基礎設計の存在を認識している」とし、こうした技術に対応する「その他深海洋上風力発電(ODOW)」の新設を提案した。意見は2026年1月30日まで受け付ける。

(注)発電事業者の投資リスクを減らすため、対象となる電源の固定価格(ストライクプライス)と市場価格の間の変動する差額を政府が補填(ほてん)する制度。市場価格がストライクプライスを上回る場合は、発電事業者が差額を支払う。

(齊藤圭)

(英国)

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