英政府、再エネ支援スキームの改革に向けた方針発表、補助期間を延長

(英国)

ロンドン発

2025年07月23日

英国政府は7月15日、再生可能エネルギー(再エネ)支援スキームの差額決済契約制度(Contracts for Difference、CfD、注1)第7ラウンドにおける制度改革に関する意見公募について政府回答を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

回答内で示された主な方針は次のとおり。なお、今ラウンドの募集開始は2025年8月を予定している。

  • 複数の試験・実証段階の浮体式洋上風力発電プロジェクトの支援に向けた予算やパラメータを設定。
  • 着床式洋上風力発電プロジェクトにつき計画承認待ちの間にCfDを申請できるよう資格要件を緩和。ただし、プロジェクトが計画段階に到達してからCfDの申請期限まで12カ月を経過していなければならない。
  • 着床式および浮体式洋上風力発電、陸上風力発電、太陽光発電に関し契約期間を15年から20年に延長。
  • 5メガワット(MW)以上の太陽光発電プロジェクトの試運転目標期間(TCW、注2)を3カ月から12カ月に引き上げ。
  • 過去のラウンドで放棄されたCfD容量を再入札の対象とすることを制限。第8ラウンド以降についても同様の制限の継続を検討。
  • 一定の条件を満たす場合、陸上風力発電プロジェクトにおける老朽化した発電設備の更新(リパワリング)についても支援対象に。
  • 浮体式洋上風力発電への段階的導入を拡大するため、着床式のプロジェクトに適用されている段階的な措置(phased CfD、注3)を浮体式洋上風力発電プロジェクトにも適用。

(注1)発電事業者の再エネへの投資リスクを減らすため、運転開始から15年間、対象となる電源の固定価格(ストライクプライス)と市場価格の間の変動する差額を政府が補填(ほてん)する制度。事業者はオークションで、技術ごとに固定価格と設備容量を提示して競う。

(注2)発電事業者がCfDによる支援の期間を維持したままプロジェクトを試運転できる期間。

(注3)発電所全体を最大3段階に分けて順次稼働させることを認める仕組み。

(バリオ純枝)

(英国)

ビジネス短信 36c503a4740b31b4