トランプ米政権の不法移民の扱いが厳しすぎると過半が回答、大統領権限の過大行使も危惧、世論調査
(米国)
調査部米州課
2025年12月18日
米国コネティカット州のキニピアク大学は12月17日、トランプ政権などに関する世論調査結果(注1)を発表
した。それによれば、有権者の55%がトランプ政権の不法移民の扱いが「厳しすぎる」と回答した。36%は「適切」と考え、6%は「甘過ぎる」とした。
また、57%が不法移民の大半に合法的な滞在資格を得る道筋を与えることを望んでいる、35%は不法移民の大半を国外追放することを望んでいると回答した。支持政党別では、民主党支持者の90%、無党派層の62%が合法的な滞在資格を得る道筋を与えることを望んでいるが、共和党支持者の71%は国外追放を望んでいるとした。
また、ドナルド・トランプ大統領の権限行使に関しては、54%はトランプ氏が「やり過ぎ」と回答した。「適切」が37%、「不十分」が7%だった。
米国のシンクタンク、ピュー・リサーチ・センターが10月に実施した世論調査
(注2)によれば、53%がトランプ政権の不法移民への対応は「やり過ぎ」と回答した。支持政党別では、民主党支持者の86%、共和党支持者の20%が「やり過ぎ」と回答し、いずれも3月調査時(75%、13%)から上昇した。
自身の移民・市民権のステータスにかかわらず、自分自身、家族、または親しい友人が強制送還される可能性を懸念すると26%が回答した。人種別では、ヒスパニックが52%と最も高く、アジア系、黒人(ともに29%)、白人(17%)が続いた。ヒスパニックでは、共和党支持者のヒスパニックでも懸念を示す割合は35%と高かった(民主党支持者のヒスパニックは64%)。
米国労働省労働統計局(BLS)のデータでは、失業率が上昇傾向にあること、労働参加率(16歳以上の米国生まれの労働者の労働力参加率)も1年以上変化がほとんどないことから(注3)、トランプ政権が進める移民削減は米国の労働者に恩恵をもたらしてないという(「フォーブス」誌12月17日)。
(注1)実施時期は2025年12月11~15日。対象者は全米の登録有権者1,035人。
(注2)実施時期は2025年10月6~16日。対象者は全米の成人8,046人。
(注3)2025年11月の失業率は4.6%、労働参加率は62.5%(2024年12月:4.1%、62.5%)(2025年12月18日記事参照)。
(松岡智恵子)
(米国)
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