ベトナム通信大手、ペルーでデジタル通貨決済に参入へ
(ペルー、ベトナム)
リマ発
2025年12月01日
ベトナム通信大手のべトテル(Viettel、ベトナム軍隊工業通信グループ)が、スマホを用いたデジタル通貨決済サービスをペルーで開始する見通しとなった。
11月26日にベトテルが地元紙に掲載した告示によると、本社は首都リマに設置し、「ビペイ(Bipay)」というブランド名でサービスを行う計画で、ペルー銀行保険年金基金監督庁(SBS)に申請したとしている。ベトテルは「ビテル(Bitel)」のブランド名で2014年からペルーで携帯電話サービスを展開しており、ビテルの知名度を生かし命名したとみられる。
ペルーでは、中小零細企業や個人でもデジタル通貨決済の利用が急増している。ペルー中央銀行の統計によると、2025年1~6月のデジタル通貨決済額は前年同期比64.9%増の359億5,400万ソル(約1兆6,538億8,400万円、1ソル=約46円)だった。ブランド別にみると、地場系銀行BCPが運営する「ヤペ(Yape)」が294億8,900万ソルと最多で、次いでインテルバンク銀行、BBVA銀行など複数行で運営する「プリン(Plin)」が62億9,800万ソルとなっている。銀行主導のヤペとプリンが全体の99.5%を占める2強体制にある。
ペルー政府は、金融サービスを利用していない地元企業や国民の取り込みのため金融サービスの多様化を進める方針だ。しかし、監督する立場にあるSBSは、銀行以外の形態の事業者が運営するデジタル通貨決済に接する経験が乏しいため、新規のサービスと事業者の参入を促すとともに、必要に応じ法制度の整備を行えるようサンドボックス制度を設置している(2025年9月26日記事参照)。SBSがベトテルの申請を承認すれば、ペルーでは初となる通信会社運営のデジタル通貨決済サービスが誕生する。
(石田達也)
(ペルー、ベトナム)
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