スリランカ政府、外国企業にデータセンターへの投資を呼びかけ
(スリランカ)
コロンボ発
2025年12月11日
スリランカ投資庁(BOI)およびスリランカデジタル経済省は12月2日、スリランカにおけるデータセンターおよびクラウドインフラの開発に関する情報提供依頼(RFI)の受け付け
を開始した。スリランカ政府は、国内にデータセンターやクラウドインフラを設置することで、外国に依存しないデジタル主権の向上や、テクノロジー分野での外国投資の誘致を目指す。今回のRFIでは、国内での大規模データセンターや人工知能(AI)に対応したインフラ整備に必要な情報の提供を当該分野の投資家や事業者に対して求める。
スリランカ政府は、本件に対する日本からの投資にも高い期待を寄せている。ジェトロや経済産業省などが日本で2025年9月末に開催した「スリランカ・ビジネスフォーラム」では、デジタル経済担当大統領首席顧問のハンス・ウィジャヤーリヤ氏が、AIの利用や開発に関する格差解消を目的とした、南西アジア地域全体を対象とする「中立AIゾーン」の構想について説明していた(2025年10月2日記事参照)。
ウィジャヤーリヤ氏は、データセンター設立の狙いについて「大容量データを扱うAI開発にデータセンターは不可欠だが、現状では大きな国に集中している。スリランカでのソブリンデータセンター(注)の設立を通じ、デジタル産業の発展を促していきたい」と話す(インタビュー日:12月9日)。
スリランカの事業展開の強みについて「海底ケーブルとの接続性が高く、9本の海底ケーブルの陸揚げ拠点になっている。インドを補完する役割として機能することも可能だろう。スリランカは地政学的に中立的であり、南西アジアの周辺国と友好関係を維持している。将来的には、本データセンターを、南西アジアの周辺国に対し、各国のAI開発拠点として提供したい」と述べた。
(注)ソブリンデータセンターとは、個人や企業、政府が管理するデータが、他国の法律や規制の影響を受けることなく、各国の法律や規制に準拠することを目的としたデータセンターのこと。
(大井裕貴)
(スリランカ)
ビジネス短信 06e6c305042a4494




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