ジャカルタで日系スタートアップがピッチイベント、ESG、AIなど9社が登壇
(インドネシア)
ジャカルタ発
2025年12月22日
インドネシア・ジャカルタにある「ERIAデジタルイノベーション・サステナブル・エコノミー・センター(E-DISC)」で12月3日、日系スタートアップが自社の事業を紹介するピッチイベントが開催された。本イベントは、東京都が主催し、ジェトロが運営するスタートアップ向けアクセラレーションプログラム「X-HUB Tokyo」インドネシアコースの一環として行われたもの。ESG(環境・社会・ガバナンス)、AI(人工知能)、メディカル、フィンテックなどの分野から9社が登壇し、地場のベンチャーキャピタル(VC)や財閥系企業などを含む約80人に対し、自社技術や協業案をアピールした。
基調講演では、インドネシア通信・デジタル省のデジタルエコシステム開発ディレクターのソニー・スダルヤノ氏が登壇。同氏は「スタートアップの新技術や国境を越えた連携の拡大は、政府が掲げる年8%の経済成長目標の達成に不可欠だ」と述べ、日系スタートアップに対する期待を示した。
今回の登壇者のうちの1社で、植物性廃棄物を再資源化し、建築内装などに活用するSpacewaspの共同創業者である瀬戸口稜二CMO(チーフマーケティングオフィサー)兼CBO(チーフブランドオフィサー)はジェトロの取材に対し、「今回のプログラムに参加したことでMOU(覚書)を数件結ぶことができ、参加した意義があった。今後の売り上げにつながりそうな案件もあり、引き続きインドネシア市場に注力していきたい」と述べた。
来場したコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)担当者は「登壇企業の1社と個別面談を約束した。どのような連携が可能か探りたい」と関心を示したほか、投資先を探すVCからは「日系スタートアップへの投資を検討しているが、なかなか接点が作れないので、接点を作る機会としてありがたい」とするなど、具体的な連携への意欲が聞かれた。
インドネシアの投資家の間では、日系スタートアップへの投資や、事業連携の期待が高まりつつある。シナルマスランド傘下のCVCであるリビング・ラボ・ベンチャーズと日本発祥のVCのスパイラル・ベンチャーズが日インドネシア企業の連携を促進したファンドを立ち上げた(2025年11月17日記事参照)。
ジェトロは今後も、日系スタートアップのインドネシア展開に向けて、各種サポートプログラムを提供していく予定だ。
イベントの様子(ジェトロ撮影)
(平松耕介)
(インドネシア)
ビジネス短信 06b4ee76d6a4f239




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