シナルマス・スパイラル・ジャパン・テーマファンド設立、日インドネシア企業の連携を促進へ

(インドネシア)

ジャカルタ発

2025年11月17日

インドネシア・バンテン州のBSDシティー(注)で11月5日、「シナルマス・スパイラル・ジャパン・テーマファンド」の調印式が開催された。同ファンドはシナルマスランド(Sinarmas Land)傘下のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)であるリビング・ラボ・ベンチャーズ(Living Lab Ventures)と日本発祥のベンチャーキャピタルであるスパイラル・ベンチャーズ(Spiral Ventures)が共同で設立したシナルマス・スパイラル・ジャパン・テーマファンド合同会社が運用する。インドネシアを中心とする東南アジアのスタートアップへの出資を予定しており、ファンドの最終目標総額は1億ドル、存続期間は最長で2034年3月までとする方針だ(11月5日付海外需要開拓支援機構プレスリリース)。

ファンド投資家には、日本の官民ファンドである海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)、MUFGグループ傘下のダナモン銀行(Bank Danamon)、ロート製薬、アドバサ(Advasa)、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)、シナルマスランドが名を連ねる。

調印式では、リビング・ラボ・ベンチャーズ代表パートナーのムルヤワン・ガニ氏、スパイラル・ベンチャーズ代表取締役社長兼代表パートナーの堀口雄二氏、シナルマスランド副グループCEOのフェルディナンド・サデリ氏らが登壇した。本ファンドが資本収益の追求にとどまらず、日本・インドネシア企業間のビジネスシナジー創出を重視する投資方針を示した。シナルマスランドとジェトロ・ジャカルタ事務所は、当ファンドの構想段階から日系企業とインドネシア企業の連携可能性について議論を続けており、フェルディナンド氏からジェトロに対する感謝が伝えられた。

クールジャパン機構最高投資責任者(CIO)・専務執行役員の水越一吉氏は「本ファンドが、両国企業の将来的な協業の架け橋となり、日系企業が提供する魅力ある商品・サービスの更なる海外需要開拓に貢献することを期待している」と語った。

写真 シナルマス・スパイラル・ジャパン・テーマファンド調印式の様子(シナルマス・スパイラル・ジャパン・テーマファンド提供)

シナルマス・スパイラル・ジャパン・テーマファンド調印式の様子(シナルマス・スパイラル・ジャパン・テーマファンド提供)

(注)シナルマスランドおよびリビング・ラボ・ベンチャーズが開発するスマートシティー。広さが東京ドーム1,300個弱に相当する6,000ヘクタールで、バンテン州南タンゲラン市に位置し、ジャカルタ中心部より南西に高速道路を利用して約60分の距離にある。

(平松耕介、キラナ・リンタン)

(インドネシア)

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