フランス議会、2026年予算の2025年内不成立で特別法を採択、年明けに再交渉へ
(フランス)
パリ発
2025年12月26日
フランスのセバスチャン・ルコルニュ首相は12月22日、2026年予算案の2025年内成立は困難と判断し、暫定措置となる特別法案を閣議決定し、同法案は12月23日に上下院で採択された。
特別法は、2025年予算法で定められた既存の税の徴収継続、地方自治体への財源配分、国の借り入れ・債務管理を認める内容で、国家運営の空白を防ぐ狙いがある。同措置は2024年末にもミシェル・バルニエ内閣の総辞職を受けて実施されており、2年連続となる(2024年12月13日記事参照)。
2026年の政府予算案は、歳出抑制と富裕層課税強化を柱に、財政赤字をGDP比5%以内に抑える方針だった(2025年10月20日記事参照)。下院では2025年11月21日、大企業や富裕層への大型増税など歳入部分を大幅に修正したものの、与党内で意見が分裂した上、野党勢力が「不十分」「不公平」と反対し、否決された。右派・中道が多数派を占める上院は12月15日、企業課税を緩和するなどした修正案を可決したが、12月19日に行われた上下院の合同委員会は決裂し、審議は暗礁に乗り上げている。
アメリ・ド・モンシャラン公会計担当相は12月21日、ニュース専門放送局BFMTVのインタビューで、「2026年1月末までに正式な予算を採択する必要がある」と強調し、合意形成に向け、極右・極左を除いた政党に譲歩するよう求めた。上院の右派は減税と歳出削減を重視する一方、下院の左派は増税と歳出削減の緩和を要求しており、予算をめぐる譲歩を得られるかは不透明だ。
下院の財政委員会は2026年1月8日および9日に上院修正案を基に予算案を審議し、その後、1月12日または13日に本会議で審議される予定だ。
(山崎あき)
(フランス)
ビジネス短信 0116578718151677




閉じる
