米、eVTOLアーチャー、ロサンゼルス近郊の空港買収、ワールドカップや五輪LA28で実証へ
(米国)
ロサンゼルス発
2025年11月18日
電動垂直離着陸機(eVTOL)の開発・製造を行う米国のアーチャー・アビエーション(本社:カリフォルニア州サンタクララ)は11月6日、ロサンゼルス国際空港から約5キロほど南に位置するホーソーン市営空港を1億2,600万ドルで買収したと発表した
。
同空港は、80エーカー(約32万3,750平方メートル)の敷地に、約19万平方フィート(約1万7,650平方メートル)のターミナル、オフィス、倉庫を備えており、かつて南カリフォルニアの航空宇宙産業の発展に貢献した航空機設計者の名を冠したジャック・ノースロップ・フィールドとしても知られる。アーチャーは、航空会社やテクノロジーパートナーと共同で開発・導入を計画している次世代人工知能(AI)搭載航空技術の検証に加えて、AIを活用した航空交通管制や地上業務管理、その他の主要技術開発に同空港を活用するという。
同社は2026年に開催されるサッカーのFIFAワールドカップの公式「エアタクシーパートナー」に選ばれているほか、2028年オリンピック・パラリンピック競技大会の公式エアタクシープロバイダーにも選出されている。ホーソーン市営空港は、オリンピックで水泳競技の開催が予定されるSoFiスタジアムに加えて、バスケットボールが開催予定のインテュイット・ドームに近いことや、体操や陸上競技が開催されるダウンタウン・ロサンゼルスといった市内有数のスタジアムや都市部に最も近い空港だ。アーチャーは、同空港をロサンゼルス・エアタクシー・ネットワークの運営拠点として実用化することを計画しており、オリンピック・パラリンピック競技大会でも重要な役割を担う予定という。
同社と広範囲な提携関係にあるユナイテッド航空の最高財務責任者(CFO)のマイケル・レスキネン氏は「アーチャーのこれまでの歩みは、eVTOLが航空交通を根本的に変える次世代の航空交通技術の一部という当社の確信を裏付ける」「AIを活用した運用プラットフォームに関するアーチャーのビジョンは、eVTOLだけにとどまらず、最先端技術を活用して、最も混雑する空域で人々の安全かつ効率的な移動を実現することを目指す」と述べた。また、同氏は、ユナイテッドの投資部門のユナイテッド・エアラインズ・ベンチャーズを通じて、今後数十年にわたる航空インフラを支える技術を開拓するアーチャーのような企業に投資すると述べた。
(サチエ・ヴァメーレン)
(米国)
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