「ASEAN GX Sustainability Forum 2025」開催、GX分野で日・ASEAN連携を促進
(マレーシア、ASEAN、日本)
クアラルンプール発
2025年11月05日
マレーシアの首都クアラルンプールで10月1日、「ASEAN GX Sustainability Forum 2025」が開催された。本フォーラムは、脱炭素やESG(環境・社会・ガバナンス)経営に関するコンサルティングを提供する地場企業ミツショーが主催した。マレーシアがASEAN議長国を務める年に、グリーントランスフォーメーション(GX)分野において、ASEAN域内の国家間協力および2国間貿易の促進を目的として企画された。
会場には約100人が参加し、そのうち約3割は日本からの参加者だった。また、東マレーシアのサバ州やサラワク州、南部ジョホール州や隣国シンガポールからも来場があり、パネリストにはシンガポール、ブルネイ、フィリピン、日本から、GXに関わる政府関係者や企業の代表らが登壇した。フォーラムでは、エネルギー、情報通信技術(ICT)、不動産、物流・港湾、バイオマス・バイオ燃料、フード&アグリカルチャーの6分野を対象に、各分野における脱炭素の取り組みが紹介された。
基調講演では、在マレーシア日本大使館の二瓶大輔公使やマレーシア投資開発庁(MIDA)のシク・シャムスル・イブラヒムCEOが登壇し、GX分野における日マレーシア協力の重要性と民間連携の可能性を強調した。二瓶公使は、日本がアジアの脱炭素化、エネルギー転換、エネルギー安全保障に向け、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)など多様な枠組みを通じて貢献していく決意をあらためて表明した。続くセッションでは、再生可能エネルギーや食料・栄養分野における新たな取り組みなど、持続可能な社会に向けた多様なサービスが紹介された。
ジェトロ・クアラルンプール事務所からは、マレーシアで脱炭素化に貢献する日系企業の製品・サービスカタログを紹介した。また、電気自動車(EV)の試乗体験や、環境配慮型の設計が施されたホテルを会場とするネットワーキングイベントなど、サステナビリティを体感できる展示や交流の機会も設けられ、来場者の関心を集めた。
本イベントの参加者からは、GX分野の最新動向を学び、異業種間で意見交換を行う有意義な機会だったとの声が聞かれた。
また、ASEAN議長国のマレーシアでは、2025年10月14~17日にAESANエネルギー大臣会合が、17日にはAZEC閣僚会合が開催された。
さらに、同時期にはASEAN Circular Economy Forum(ACEF)、ASEAN Energy Business Forum(AEBF)、International Greentech & Eco Products Exhibition and Conference Malaysia(IGEM)といった産業界が参加する多様なイベントも計画され、持続可能な社会の実現に向け、活発な議論と交流が繰り広げられた。
シク・シャムスル・イブラヒムCEOの基調講演(主催者提供)
(近藤皐平)
(マレーシア、ASEAN、日本)
ビジネス短信 f97025df2f92e114




閉じる
