10月の自動車販売は8.8%増、NEVの割合は初の5割超
(中国)
上海発
2025年11月17日
中国汽車工業協会(CAAM)は11月11日、2025年10月の自動車販売(輸出を含む)が前年同月比8.8%増の332万2,000台だったと発表した。生産とともに同月の過去最多を更新した。うち、新エネルギー車(NEV、注1)の販売台数は20.0%増の171万5,000台と急成長を続け、自動車に占める割合は51.6%まで上昇した。現地メディアによると、一般乗用車販売台数に占めるNEVの割合は既に5割を上回っていたが、商用車を含む自動車全体では初めてだという。CAAMが同日に開いた記者会見で、陳士華副秘書長はNEVが好調な背景について、自動車の買い替え補助金策が購買を後押ししているほか、NEVの購入に対する免税策が2026年からは現在の全額免除から半額免除に変更される前の駆け込み需要による効果が大きいと指摘した(上海証券報11月11日)。
2025年1~10月の自動車販売台数は、前年同期比12.4%増の2,768万7,000台で、うち国内販売分は11.7%増の2,207万2,000台、輸出分は15.7%増の561万6,000台となった。輸出台数上位10社をみると、奇瑞汽車は12.9%増の106万3,000台と1位を維持し、輸出全体の18.9%を占めた。比亜迪(BYD)は2.4倍の78万9,000台と急伸し、上海汽車集団(76万6,000台)を上回って2位となった。9位のテスラの輸出は20万9,000台と、外資系で唯一トップ10にランクインした。
部門別にみると、2025年1~10月の乗用車販売は前年同期比12.9%増の2,420万9,000台、商用車は9.0%増の347万9,000台だった。乗用車市場における中国ブランド車の販売シェアは69.4%と、前年同期から4.8ポイント上昇した。外資ブランド車のシェアでは、ドイツ系12.3%、日系9.6%、米国系5.9%、韓国系1.6%の順だった。
中国自動車流通協会(CADA)の郎学紅副秘書長は11月5~7日に開催された年次総会で、各地の消費促進策などに牽引され、2025年の国内新車登録台数は過去最高の2,800万台に達するとの見通しを示した。また、中国メーカー各社はノックダウン(KD)生産(注2)などを通じて海外進出を積極的に進めているため、2025年の自動車輸出は700万台を超えるうえ、2026年にも輸出を含む自動車販売が3,500万台を突破すると予測した。
(注1)バッテリー式電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)を指す。
(注2)自動車生産などで部品のセットを輸出し、現地工場で組み立てを行う生産方式。
(劉元森)
(中国)
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