コスタリカ駐日大使を迎え、諏訪地域で国際ビジネス交流セミナーを実施

(日本、コスタリカ)

諏訪発

2025年11月05日

ジェトロは1031日、コスタリカ大使館および岡谷市との共催で、中南米市場への理解促進と交流機会の提供を目的とした「コスタリカの魅力とビジネス投資環境セミナー」をテクノプラザおかやで開催した。

冒頭では、ジェトロ調査部米州課中南米班の中畑貴雄主幹が登壇し、コスタリカの経済概況を解説。同国は、2024年の1人当たりGDP18,587ドルと、ラテンアメリカ(中南米)ではウルグアイ(同23,907ドル)、パナマ(同19,103ドル)に次いで高い。コスタリカ中央銀行は2025年以降も4.0%前後のGDP成長率を見込んでおり、安定した成長を続ける市場だ。また、英語が堪能な労働力の存在など、同国労働者の教育水準の高さを武器に、医療機器などの先端製造業の誘致に成功していることを紹介した。

続いて、スッシ・ヒメネス・ヌニェス駐日コスタリカ大使が登壇した。2025年は日本との外交関係樹立90周年という節目であり、両国の強固な友好関係を祝う重要な年であると述べた。さらに、現在、コスタリカではCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定)への参加に向けた準備が進められており(注)、今後は日本との貿易関係をさらに深め、輸出基盤の多様化と持続可能なバリューチェーンの育成を目指すと語った。

写真 スッシ大使によるあいさつ(ジェトロ撮影)

スッシ大使によるあいさつ(ジェトロ撮影)

続いて、在日コスタリカ大使館貿易投資促進課のマリアネラ・ピエドラ氏が、同国の自然環境と貿易構造の変化について講演した。コスタリカには50万種以上の生物が生息しており、世界の6%に相当する生物多様性を有することに加え、1991年以降は輸出品目が大きく変化し、2025年現在では医療機器などの工業製品が輸出の約9割を占めると説明した。

セミナー後半では、バリスタによるコスタリカ産コーヒーの提供を交えた交流会が開催され、大使館員と参加者の間で意見交換が行われた。参加者からは「普段触れる機会の少ない国について知ることができ刺激になった」「コスタリカのエネルギーの98%がクリーンエネルギーであることに驚いた」「フリーゾーンなど投資誘致の取り組みが参考になった」といった声が寄せられた。

写真 スッシ大使との交流会の様子(ジェトロ撮影)

スッシ大使との交流会の様子(ジェトロ撮影)

(注)2024年11月28日に、コスタリカのCPTPPへの加入作業部会が設置された。

(荒井慎哉)

(日本、コスタリカ)

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