中央アジアサミット、複数の連携事業が稼働
(ウズベキスタン、カザフスタン、タジキスタン、キルギス、トルクメニスタン、アゼルバイジャン)
タシケント発
2025年11月27日
第7回中央アジア首脳会議(サミット)が11月16日、ウズベキスタンの首都タシケントで開催された。アゼルバイジャンの正式参加が決定したほか、会合にあわせてウズベキスタンでの産業協力センターや共同貿易ゾーンの開所式が行われた。
今回の会合では、ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領が議長を務めた。ほかに、カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領、キルギスのサディル・ジャパロフ大統領、タジキスタンのエモマリ・ラフモン大統領、トルクメニスタンのセルダル・ベルディムハメドフ大統領、アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領が参加した。この会合の結果、中央アジア諸国首脳による共同声明が採択された。
今回の会合で、アゼルバイジャンの中央アジア首脳会議への正式参加が決定された。同国のアリエフ大統領は第6回首脳会議(2024年)に主賓として参加していた(2024年8月26日記事参照)。
各国首脳は、相互貿易の協力について連携を確認した。首脳会談に先立ち開催された第1回貿易・投資閣僚会議では、中央アジア5カ国とアゼルバイジャンが参加。域内諸国の相互貿易額を年間107億ドルから200億ドルに拡大する計画や、「メード・イン・セントラル・アジア」ブランド製品の共同生産拠点の設立計画が発表された。
中央アジア各国の具体的な連携事例も進展した。11月15日に、カザフスタンのトカエフ大統領のウズベキスタン公式訪問に合わせ、ウズベキスタンのシルダリヤ州とカザフスタンのトルキスタン州の国境地帯で中央アジア国際産業協力センターが稼働した。同センターでは、ウズベキスタン側で小麦の高度加工、カザフスタン側でコメの高度加工および廃棄物の処理、再生など、総額約6億6,000万ドルの23の共同事業が予定されている。
トルクメニスタンのベルディムハメドフ大統領によるウズベキスタン公式訪問に合わせ、2022年10月に建設が開始された国境貿易共同区域「シャワト・ダショグズ」が稼働した。ウズベキスタンのホレズム州とトルクメニスタンのダショグズ州にまたがるこの貿易ゾーンでは、両国企業が共通のインフラと簡素化された手続きを利用して、自由に商品を取引できる。また、ウズベキスタンとトルクメニスタンの国民は無査証で国境貿易ゾーンに入域できる。
ミルジヨエフ大統領は、中央アジア諸国間の国境貿易地域および産業協力センターは同地域における中小企業の発展に寄与する、と期待を寄せた。
(ウラジミル・スタノフォフ)
(ウズベキスタン、カザフスタン、タジキスタン、キルギス、トルクメニスタン、アゼルバイジャン)
ビジネス短信 f1a5f9d45744ea0d




閉じる
