英中銀、政策金利を2会合連続で据え置き

(英国)

ロンドン発

2025年11月10日

英国イングランド銀行(BOE、中央銀行)は11月6日、政策金利を4%に据え置くと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。金利据え置きは2会合連続となる。前日まで開かれていた金融政策委員会(MPC)で9人中5人が据え置きを支持、残る4人は0.25ポイントの利下げを支持した。BOEのアンドリュー・ベイリー総裁は、「物価上昇が緩和されるか動向を見たい」とコメントした(「BBC」11月6日)。

BOEは同日、金融政策報告書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも公表した。同報告書によると、インフレ率は2025年9月に3.8%に達した。ただ、6月の3.6%からは上昇したものの、8月の報告書の予想を0.2ポイント下回り、2026年3月までには3.2%まで低下すると予測している。この背景には、エネルギーや食料のインフレ率の低下に加え、国民保険料の雇用主負担分や水道料金などの引き上げの影響の薄れ、賃金上昇率の緩和継続がある。また、世界的な関税上昇の影響もこれまでのところ極端なものではないとした。

今回の決定は、11月26日に予定されている政府の予算案発表に先立って行われた。増税を行うのではないかという憶測が高まっている中、レイチェル・リーブス財務相は、11月4日に行ったスピーチで、予算案では「インフレの抑制と金利引き下げの条件整備に重点を置く」と述べている。

(野崎麻由美)

(英国)

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