1~9月の製造業向け外国投資認可額、前年同期比9.2%増

(マレーシア)

クアラルンプール発

2025年11月25日

マレーシア投資開発庁(MIDA)は11月18日、2025年1~9月の投資認可総額が前年同期比13.2%増の2,852億リンギ(約9兆9,820億円、1リンギ=約35円)だったと発表した(MIDAプレスリリース参照PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。産業別にみると、サービス業が65.9%、製造業が32.9%、第一次産業が1.2%を占めた。投資認可総額のうち、国内投資が47.1%、外国投資が52.9%を占めた。

認可された投資案件数は4,874件で、MIDAの試算によると、15万2,766人の新規雇用を創出した。また、2021年から2025年9月までに認可された製造業案件のうち85.0%が実行済みだという。

ジェトロが11月19日にMIDAから別途入手したデータによると、2025年1~9月の製造業向け外国投資認可額は、前年同期比9.2%増の731億リンギだった。業種別にみると、電気・電子製品が59.6%減の182億リンギにとどまったものの、全体の24.9%を占め、最大の投資先だった(添付資料表1参照)。これに化学・同製品、輸送機器、基礎金属製品、非金属鉱物製品が続いた。

投資元国・地域別では、中国が339億リンギで首位だった(添付資料表2参照)。次は、シンガポールで77億リンギだった。。両国ともに、とりわけ電気・電子製品、輸送機器および化学・同製品関連の投資が大きく寄与した。これに、英領バージン諸島、米国、イタリアが続いた。

日本による製造業投資認可額は、前年同期比75.0%増の21億リンギで、国・地域別10位だった。そのうち、化学・同製品は11.2倍の14億リンギで、全体の64.8%を占めた(添付資料表3参照)。報道や各社リリースによると、主な投資案件として、測量・医療・精密機器メーカーのトプコンによるトレーニングセンター開設(金額は非公開)、総合化学メーカーのトクヤマによる工場建設(同)、調味料メーカーのオタフクソースによる新工場稼働(15億円相当)などがあった。

MIDAは、地政学的緊張や貿易摩擦、サプライチェーンの混乱、金融引き締めなどにより世界的な投資が鈍化する中でも、マレーシアが堅調な投資を確保できたことにより、同国の投資先としての魅力があらためて示されたと述べた。また、こうした成果は、同国の競争力と効果的な国家戦略の実施を反映するとともに、官民連携の推進や先端製造業および持続可能な産業の地域ハブ化を目指す政府の取り組みを裏付けていると分析した。

(戴可炘)

(マレーシア)

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