2026年度予算案を発表、安定から成長への転換を目指す
(ガーナ)
アクラ発
2025年11月26日
ガーナのカシエル・アト・フォーソン財務相は11月13日、2026年度(2026年1~12月)予算案を議会に提出した。総支出は3,025億ガーナ・セディ(GDP比18.9%、約4兆2,350億円、1ガーナ・セディ=約14円)、歳入は2,681億セディを見込み、財政赤字はコミットメントベースで344億セディ(GDP比2.2%)、基礎的財政収支(プライマリーバランス)は233億セディ(GDP比1.5%)の黒字としている。GDP成長率目標は前年比4.8%、年末のインフレ率は8%を目標数値に掲げた。
2026年度予算のテーマを「成長、雇用、経済改革に向けたリセット(Resetting for Growth, Jobs, and Economic Transformation)」と発表。税制改革では、新型コロナウイルス感染症賦課金(COVID-19 levy)の廃止、体系見直しによる付加価値(VAT)税や賦課金(Levy)の負担率21.9%から20%への引き下げ、VATの登録基準額を20万セディから75万セディに引き上げ、小規模事業者の負担軽減を図る。企業や家計に対して60億セディほどの還元を見込む。
インフラ整備では「ビッグプッシュ・プログラム」を発表し、道路・橋・空港整備のために300億セディを計上。農業分野では国家戦略である「パーム油産業政策(2026~2032年度)」に69億セディを投入し、25万件の雇用創出を目指すことも発表した。エネルギーについては、債務を抱えていた独立系発電事業者(IPP)の未払い金返済のため48億セディを計上する。教育分野は、学校建設や教材配布に333億セディの配分を予定。
2025年度に達成した財政や経済の安定基盤を評価し、2026年度からは成長、雇用、産業強化、社会サービスを推進する「安定から成長へ、機会を繁栄に転換する」方針を強調した。議会での審議、民間監査法人による公益レビューを経て、2025年11月中に議会承認、大統領署名がなされる見通しだ。
(中川翼)
(ガーナ)
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