成都市で「2025世界ディスプレー産業イノベーション発展大会」開催、AIとの融合強調
(中国)
成都発
2025年11月12日
「2025世界ディスプレー産業イノベーション発展大会」が11月3~4日、中国四川省成都市で開催された。
開幕式で工業情報化部の熊継軍副部長は、第14次5カ年規画期間中(2021~2025年)に中国はディスプレー産業で大きな成果を上げており、特に産業規模やイノベーション能力、融合化の発展が急速に進んでいると述べた。さらに、「2024年の中国の新型ディスプレー産業規模は前年比12%増の7,400億元(約16兆2,800億円、1元=約22円)に達した」と説明した上で、「ディスプレー産業の特徴は、ディスプレー技術と第5世代移動通信システム(5G)、人工知能(AI)、高解像度動画、拡張現実(AR)などとの深い融合を進めている点にある。これにより、観光、車載、医療など多くの分野で応用シーンが拡大している」と紹介した。
また、熊副部長は第15次5カ年規画に向けた同産業の発展方向性について、(1)産業チェーンとサプライチェーンの強化、(2)大学や研究機関との連携、(3)応用シーンの拡大、(4)国際協力の強化を挙げた。さらに、同産業の高品質発展エコシステムを構築し、デジタル強国の建設に向けて、生産技術やイノベーション能力を向上させる方針を示した。
四川省政府の施小琳省長は、新型ディスプレー産業が電子情報分野とデジタル経済に関連する新興産業で、産業の高度化を後押しすると指摘した。同省では、新型ディスプレー産業の上流(原材料)、中流(パネル)、下流(パネル応用)までの産業チェーンの形成が進んでいるとし、「フレキシブルディスプレーでは世界生産の約50%を占めており、四川省の新型ディスプレー産業規模も年々拡大している。2025年には2,000億元を突破する見通しだ」と述べた。
発展大会では2024年に続き、「中国新型ディスプレー産業高品質発展指標(2025年)」が発表された。2024~2025年の中国ディスプレー産業高品質発展都市トップ10のうち、上位5都市は合肥市(安徽省)、深セン市(広東省)、成都市(四川省)、広州市(広東省)、武漢市(湖北省)だった。うち3位の成都市は、産業チェーンの強靭(きょうじん)化と技術力、イノベーション能力で優位性と競争力が評価された。
2024年大会と比較すると(2024年12月26日記事参照)、今回の大会ではディスプレーとAI技術の深い融合が打ち出された。京東方科技集団(BOE)の馮強最高経営責任者(CEO)も開幕式のあいさつで、「ディスプレー+AI」を提起し、ディスプレー技術の向上や応用の拡大によって、AIはロボット、メタバース、医療、教育、観光、小売りなどの分野で効果的な活用を実現しつつあると強調した。
(王植一)
(中国)
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