急拡大する英国女子サッカー市場をテーマに、セミナーを開催
(英国、日本)
ロンドン発
2025年11月14日
ジェトロは11月6日、「英国女子サッカーがもたらす企業価値向上とブランド拡張」をテーマにセミナーを開催した。セミナーには、サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)で英国で活躍するプロサッカー選手の熊谷紗希氏(ロンドン・シティ・ライオネス)、古賀塔子氏(トッテナム・ホットスパー・ウィメン)、南萌華氏(ブライトン・アンド・ホーブ・アルビオン・ウィメン)の3人をゲストに迎えた。
講師には、スカイライトコンサルティングのプロデューサーで、スペインを拠点にコンサルティング事業を手掛ける栗原寛氏が登壇。英国女子サッカー市場の最新動向や、企業によるスポンサーシップ活用事例を紹介した。栗原氏は、欧州の女子サッカー市場(スポンサー収入や放映権収入などを含む)は、2021年の1億1,600万ユーロから、2033年には約6倍の6億8,600万ユーロへ拡大すると予測されていると説明。女子サッカーのファン層は男子サッカーと比べて、女性や若年層、ファミリー層の割合が高く、女子チームのスポンサー企業に対する好意度や購入検討率が高い傾向があると指摘した。また、ロンドンを拠点とするアーセナル・ウィメンのスポンサーである美容ブランド「イルマキアージュ」は、ファンに効果的にアプローチし、購入検討率46%という高い成果を上げたことを紹介した。
パネルディスカッションでは、熊谷氏が「イングランドでは、どのクラブでも観客数が3万~4万人を記録する試合がある。そうした盛り上がりは他国ではなかった」と語ったほか、古賀氏は「クラブハウスや練習場など、女子選手のための施設が充実しているのはイングランドならでは」と述べた。海外クラブでチームメイトから信頼を得るために意識している点については、古賀氏は「まずは自分のプレーで結果を出すこと」、熊谷氏は「どんなことにも文句を言わず、手を抜かない姿勢を見せること」を挙げた。
セミナー後のネットワーキングセッションには南氏も加わり、日本企業の参加者との交流が行われた。参加者からは、「人気が急上昇している女子サッカービジネスの現状を知ることができた」といった声が寄せられた。
セミナーの様子(ジェトロ撮影)
(植松麗良)
(英国、日本)
ビジネス短信 da5ab1bc721e84b3




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