中東初のプロ野球リーグが11月14日に開幕、日本人選手も所属

(アラブ首長国連邦、インド、パキスタン)

調査部中東アフリカ課

2025年11月14日

中東・南アジア地域初のプロ野球リーグとなる「ベースボール・ユナイテッド(Baseball United)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで11月14日に開幕する。リーグ戦は、現地メディアやDAZNなどの各種配信サービスでも中継が行われる。

「ベースボール・ユナイテッド」は2022年7月に発足し、2023年に4試合の「ショーケース」が実施されていたが、本格的なリーグ戦は2025年が初めてとなる(2023年10月10日付地域・分析レポート参照)。参加球団は、UAEを本拠地とするミッドイースト・ファルコンズ、アラビア・ウルブズに加え、インドを本拠地とするムンバイ・コブラズ、パキスタンを本拠地とするカラチ・モナークスの4チームだ。ミッドイースト・ファルコンズには、メジャーリーグでもプレーした中島裕之選手、川﨑宗則選手、福岡ソフトバンクホークスなどで活躍した福田秀平選手をはじめ、13人の日本人選手が所属している。

リーグは11月から12月にかけて18試合が行われたのち、「ユナイテッド・シリーズ」と称するプレーオフが実施される。全試合がドバイ国際空港から車で約30分のスポーツ・エンターテインメント複合施設「ザ・セブンズ」内に位置する「ベースボール・ユナイテッド・ボールパーク」で行われることになっている。リーグ戦に利用されるフィールドは米国のヤンキー・スタジアムの大きさにあわせて建設され、使用されている人工芝は横浜スタジアムと同じものだ。本フィールドは2024年11月から開業した。

中東湾岸諸国では、いわゆる「中東オイルマネー」も背景にサッカーなどスポーツ産業が盛り上がりを見せているが、「ベースボール・ユナイテッド」は資金の出どころが異なるのが特徴だ。リーグの運営企業である「ベースボール・ユナイテッド」を創業したのは、米国出身の起業家カッシュ・シェイク氏だ。共同創始者・出資者に、バリー・ラーキン氏やマリアノ・リベラ氏、エイドリアン・ベルトレ氏ら、有名な元メジャーリーガーが名を連ねている。

「ベースボール・ユナイテッド」の山村千晴氏は、「中東で野球を広げていこうという取り組みを進めており、日本企業のスポンサーも募っている。なお、今回は6社の日本企業に参画いただけた。また、公式球はSSK製のものが使用されることとなった。UAEでは現在、野球のグラブ、バット、ユニフォームなどを手に入れるのは難しいが、今後、現地で買える環境にしていきたい。また、日本の皆さんにもリーグ戦などの機会にUAEや中東に足を運んでほしい」と話した(取材日:2025年11月14日)。

(波多野瞭平、井澤壌士)

(アラブ首長国連邦、インド、パキスタン)

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