カラチで国内最大級の国際農業食品展が開催
(パキスタン)
カラチ発
2025年11月28日
パキスタンの商業都市であるシンド州のカラチで、11月25~27日に国際農業食品展「フードアグ(FoodAg)2025
」が開催された。フードアグは、国内農業の潜在力や多様性、そしてパキスタンが世界の食料安全保障に貢献できることを世界に向けて発信することを目的としており、今回が3回目の開催となる。パキスタン商業省傘下のパキスタン貿易発展局(TDAP)が主催し、350社が出展し、80カ国から800人以上の海外バイヤーが来場した。日本からもこの展示会に合わせて、コメ、菓子類、飲料、果物などの食品関連企業8社からなるビジネスデリゲーションが来訪した。
会場の様子(ジェトロ撮影)
パキスタンは綿花の生産とこれを生かした繊維産業が有名だが、GDPの4分の1は農畜水産業が占め、コメ、サトウキビ、羊肉や鶏肉、乳製品など多様な農産品、食品を生産している農業国でもある。2024/2025年度(2024年7月~2025年6月)には、輸出総額323億300万ドルのうち約2割にあたる63億1,500万ドルを農産品・食品が占め、繊維製品に次ぐ外貨獲得手段となっている。政府は、新型コロナ禍を通じて欧米の繊維市場が縮小し、自国の繊維輸出が甚大な影響を受けた経験を踏まえ、輸出の5~6割を占める繊維製品のみに偏らない輸出品目の多様化に努めており、農産品の輸出強化を優先施策の1つとしている。フードアグの開会式には、カマル・カーン商業相が臨席し、その後すべての展示ホールをくまなく視察するなど、政府の農業に対する熱心な姿勢を示していた。TDAPは、「パキスタンの農業関係企業は、農業の機械化・近代化のため日本企業の技術や機械をより活用すべきであり、日本企業との協業が必要」と言及している。
ジェトロはこれまで、3年連続でアグリテック・農業資機材をテーマとした日パ企業のオンライン商談会を実施したほか、2025年はパキスタンの農業経営者の日本派遣などを行ってきた。今回のフードアグにおいては、日本製品のパキスタン市場開拓を目的に、オンラインカタログサイト「Japan Street」の広報ブースを出展した。ブースでは、来場するパキスタン企業を対象にカタログサイトで紹介する日本製品を説明し、同サイトの活用を促した。日本製品に対する関心は高く、多くのバイヤーがその場でサイトに登録した。
会場を視察するカーン商業相(中央)(ジェトロ撮影)
(糸長真知)
(パキスタン)
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