吉利汽車、ルノーとブラジルでの協業開始

(ブラジル、中国、フランス、韓国)

サンパウロ発

2025年11月07日

中国の自動車メーカー吉利汽車(ジーリー)は11月3日、フランス自動車大手ルノーのブラジル法人ルノー・ド・ブラジルの株式26.4%を取得したと発表した。

この協業は2025年2月に初めて発表されたもので、ジーリーはルノーの販売網とパラナ州サン・ジョゼ・ドス・ピニャイス市の生産拠点を活用する(2025年2月26日記事参照)。ただ、現時点で同市の生産拠点で製造する車種は決まっていない。ルノー・ド・ブラジルは、ジーリーの電動車両技術「GEAプラットフォーム」(注)をルノーブランド車に導入するとしている。

ジーリーは7月30日から全国のルノー販売店を通じて、バッテリー式電気自動車(BEV)、スポーツ用多目的車(SUV)「EX5」の販売を開始した。11月中にはBEV「EX2」の発売を予定している。

また、自動車業界情報サイト「オートエスポルテ」(9月3日付)によると、ルノーは、ジーリーのGEAプラットフォームを採用したプラグインハイブリッド車(PHEV)「グラン・コレオス」を2026年中にブラジルで販売開始予定という。同車種は韓国での両社の協業により開発され、2024年7月からルノーコリアの釜山工場で生産されている。

(注)Global Intelligent New Energy Architectureの略。吉利汽車が開発した新エネルギー車向けのプラットフォーム(車台)。ハードウエア、ソフトウエア、エコシステム、人工知能(AI)の4要素を統合したAIアーキテクチャーを特徴とし、バッテリー式電気自動車(BEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)のほか、レンジエクステンダー車など多様なパワートレインに対応する。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル、中国、フランス、韓国)

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