パリ郊外のランジス市場で和牛×ボージョレ・ヌーボー解禁イベント開催
(フランス、日本)
パリ発
2025年11月26日
フランス・パリ郊外にある世界最大級の食品卸売市場であるランジス国際市場で11月20日早朝、ボージョレ・ヌーボー(Beaujolais nouveau)の解禁に合わせ、日本産和牛とのペアリングを楽しむイベントが開催された。
ボージョレ・ヌーボーは、毎年11月第3木曜日に解禁され、2025年の解禁日は11月20日。この日、市場関係者や観光客などが参加した会場はにぎわいを見せた。北海道産のサロマ和牛がその場でスライスされ、ステーキ、握り寿司(ずし)のかたちで提供された。
和牛展示の様子(ジェトロ撮影)
北海道産サロマ和牛がカットされる様子(ジェトロ撮影)
このイベントを主催した、同市場内に拠点を置く食肉輸入・卸売会社フードハブ(FOOD HUB)社長のサリム・サーダ氏によれば、「フランスで食される牛肉は赤身肉が中心で、どっしりとしたフルボディーの赤ワインと合わせることがスタンダードとされる。一方で、日本産和牛に特有の繊細な霜降りと優雅な香りはむしろさっぱりとしたボージョレ・ヌーボーとの相性が良いと考えていた」「ランジス市場で日本産和牛を取り扱う企業は複数いるが、今回のイベントを通じてより広く和牛の魅力を知ってもらえたと思う」と語った。
また、このイベントに参加していたあるパリ市内のレストランのオーナーシェフは、「牛肉を使った料理はさまざまあるが、マリネなどの凝った味付けをしなくても、塩や薬味を添えるだけで味わえるのが日本産和牛の特徴であり、楽しみ方」「フランスで新酒を祝うボージョレ・ヌーボーと、日本からやってきた和牛のペアリングという面白い組み合わせだった」とコメントした。
オランダからの観光客は、「最近2週間にわたって東京、大阪、京都へ旅行し、寿司、和牛などを楽しんだところ。和牛は何度食べてもおいしい」と日本産和牛の味を評価した。
フランス向け日本産牛肉の輸出額は、2024年は4億5,000万円(前年比21%増)となっているが、2025年5月に改定された政府の「農林水産物・輸出の輸出拡大実行戦略」では、2030年にEUなどで92億円の目標金額が設定されており、さらなる輸出拡大が求められるところだ。こうした現地の慣習や季節のイベントと合わせた楽しみ方の提案を行うことで、取り扱いが拡大することが期待される。
(菱川奈津子、鈴木康介)
(フランス、日本)
ビジネス短信 c9b1e29b55495936




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