2025年10月の自動車販売台数、BYDのATTO1が躍進
(インドネシア)
ジャカルタ発
2025年11月28日
インドネシア自動車製造業者協会(ガイキンド)は11月12日、2025年1~10月の自動車卸売販売台数のデータを発表した。
2025年10月の自動車の卸売販売台数は7万4,019台で、前月比19.2%増となった。内訳は、乗用車が22.2%増の5万5,249台、商用車が11.2%増の1万8,770台だった。1~10月の卸売販売台数の合計は63万5,844台となり、前年同期比で10.6%減少した(添付資料表1参照)。
1~10月のブランド別卸売販売台数の合計は、トヨタ自動車が20万2,376台(シェア31.8%)で首位だった。次いで、ダイハツが10万7,090台(16.8%)、三菱自動車が5万6,516台(8.9%)、ホンダが5万265台(7.9%)、スズキが4万9,803台(7.8%)と続いた(添付資料表2参照)。上位5社を日系が占めたが、BYDが3万670台(4.8%)で6位につけた。また、10月単月の卸売販売台数では、BYDが前月比で約10倍の1万593台と大幅に増加した。10月から統計に算入された「ATTO1」が9,396台と好調な売れ行きを見せたことが要因だ。
1~10月の燃料別の販売台数では、ガソリン車が37万4,456台(全燃料に占めるシェア58.9%)、ディーゼル車が13万9,156台(21.9%)、バッテリー式電気自動車(BEV)が6万9,146台(10.9%)、ハイブリッド車(HEV)が4万9,318台(7.8%)、プラグインハイブリッド車(PHEV)が3,766台(0.6%)と続いた(添付資料表3参照)。BEVは10月単月の販売台数が、前月比で3.4倍に急増した。
BEVのブランド別販売台数では、BYDが首位で、上汽通用五菱汽車、DENZA(BYD傘下)、奇瑞汽車など中国勢が続いた。BEVのブランド別販売上位10社のうち、8社を中国勢が占めた。中国勢以外では、ベトナムのビンファストが6位、韓国の現代自動車が8位に入った(添付資料表4参照)。
ガイキンドのヨンキー・スギアルト副会長は「(当初90万台に設定していた年間の販売目標台数を)修正する予定だ」と述べ、「具体的な数字は後日明かす」とした(11月13日付「アンタラ」)。バンドン工科大学のヤンネス・マルティヌス・パサリブ氏は、販売目標台数を「75万から85万台の範囲という、より現実的な数値に修正する必要がある」とし、その理由として「高水準のローン金利を含むマクロ経済の低迷が、低価格グリーンカー(LCGC)や低価格多目的車(LMPV)などの主要市場セグメントの購買力低下の主な原因だ」と強調した(11月13日付「アンタラ」)。
(大滝泰史)
(インドネシア)
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