韓国リテールAIスタートアップ、ライフスタイルラボ「トヨノマ」で実証実験
(日本、韓国)
イノベーション部ビジネスディベロップメント課
2025年11月28日
東京・豊洲のライフスタイルラボ「トヨノマ」(LIFE STYLE LAB「TOYONOMA」)
(注)において2025年11月6日、韓国発スタートアップのファインダーズAI(Fainders.AI)
が、次世代会計AI(人工知能)セルフレジ「VISION CHECK-OUT」を用いた日本初の実証実験ストアをグランドオープンし、ローンチイベントを開催した。
ファインダーズAIジャパン李知珉氏による発表の様子(ファインダーズAIジャパン提供)
「VISION CHECK-OUT」は、7台のステレオカメラにより商品を360度・多視点で撮影し、形状、パッケージ構造、積層状態など複数の特徴量を深層学習モデルで解析するビジョンAIソリューション。バーコードなどの識別媒体に依存しない点が特徴で、ベーカリー、総菜などパッケージが統一されていない非定型商品にも対応可能だ。自社検証では99%以上の認識精度を達成し、小売り現場での実用水準に達しているという。
ローンチイベントが行われた同施設の特徴として、施設内での実証実験が可能で、それを地域住民やビジネスマンに体験してもらうことができるという点が挙げられる。これにより、通常の実証実験だけでは把握が難しい消費者の声を反映させつつ、施設内でパートナー企業と細かな調整を行いながら製品改良を行える。特に、消費者向け製品を開発している企業・スタートアップには大きなメリットだ。
同社の実証ストアは、施設内のオープンキッチン「SHOKU NOMA」と、共有スペースに設置された売店形式の「HIBI NOMA」の2区画で構成される。ローンチイベントでは30社以上の企業関係者約60人が来場し、飲料、パン、スナックなど多様な商品を用いた購買体験が行われた。商品を台に置くだけで決済が完了し、購入までが平均10秒という迅速かつシンプルな操作性が高く評価された。
「SHOKU NOMA」内「VISION CHECK-OUT」が導入された様子(ファインダーズAIジャパン提供)
なお、同社は、ジェトロがリソースパートナーを務めるグローバルアクセラレーションプログラム「Hokkaido F Village X
」採択企業で、北海道での実証実験も準備中だ。今回のトヨノマでの実証は、日本展開を本格化する上で重要なマイルストーンとなるだろう。
(注)東京都江東区豊洲地区は、かつて造船業が栄え、職・住・遊・学を意識した街づくりが進められてきた。同施設は、造船所の跡地に整備された豊洲セイルパーク内に2025年9月にオープンした。同施設は、地域住民、スタートアップ、大企業、ビジネスパーソンが交わるコミュニティの形成を目的としている。
(山本浩史、小野泰之)
(日本、韓国)
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