大連日本商品展覧会にジェトロパビリオンを設置、日本の「健康・福祉」をPR

(中国)

大連発

2025年11月05日

中国・遼寧省大連市で10月24~26日、「第14回大連日本商品展覧会」が開催された。同展覧会は中国で有数の日本商品に特化した展示会で、大連市政府が主催し、中国国際貿易促進委員会(CCPIT)大連市分会と大連国際商会が運営する。出展社数は約300社に上り、入場無料で一般市民が多く訪れることから、3日間の来場者数は延べ約6万人に達した。出展分野は食品、日用雑貨、服飾、工芸品など展示即売を目的とした出展のほか、市場調査や広報を目的とした出展も見られた。

ジェトロは同展覧会において、「健康・福祉」をテーマにジェトロパビリオンを設置した。「健康・福祉」をテーマにした出展は2024年(2024年10月4日記事参照)に次いで2回目となる。今回は前回同様のBtoBパビリオン(17社)に加えて、一般消費者向けプロモーションを目的としたBtoCパビリオン(21社)を新たに設置した。BtoCの取り組みはジェトロJAPAN MALL事業連携事業「中国消費者向け販促・PRイベント」(注)の一環として開催した。

両パビリオンの出展商品は、介護・福祉機器や用品、健康に役立つグッズや食品など、多岐にわたった。BtoBパビリオンには、大連市の介護・医療施設、介護・福祉用具や健康グッズ、健康食品を取り扱うディストリビューターや小売店など約50社が来場し、出展者と商談を行った。BtoBパビリオンを訪れたバイヤーからは、「認知症の高齢者が洗面室で倒れて大きなけがをする事例がたびたび発生しており、解決策を探っている最中だ。今回はクッション性があり、滑りにくい機能を持つ床材を取り扱う企業と商談した。価格は中国製より若干高いが、安全性を期待して導入してみたい」(認知症ケア施設運営)、「ユニバーサルデザインの設計の良さを知った。今後は医療や介護施設での導入を積極的に検討したい」(医療・介護施設運営)などの声が聞かれた。

BtoCパビリオンの出展企業からは、「高齢者が履きやすい靴に対する関心が高かった」「腰や膝の痛みを抱えている消費者が多く、サポーターの試着ニーズが高かった」といった声が上がった。一方で、「健康食品に関心を示す消費者は多いが、バイヤーは少なかった」「シニア向け化粧品への問い合わせは多かったが、コスパがいい商品を求めるアクティブシニア層の来場が多く、高価格が課題だった」とのコメントもあった。

大連には日本の文化、製品、サービスに対して好意的な感情や関心を持つ消費者が多く、今回の出展商品ではないが、日本企業が製造する電動車いす、車いす用クッション、ならびに日系介護施設などの情報を求める声も寄せられた。ジェトロでは今後も引き続き、「健康・福祉」をテーマとした日本商品の販路開拓を支援していく予定だ。

写真 ジェトロパビリオン(BtoB商談エリア)の様子(ジェトロ撮影)

ジェトロパビリオン(BtoB商談エリア)の様子(ジェトロ撮影)

写真 ジェトロパビリオン(BtoCエリア)の様子(ジェトロ撮影)

ジェトロパビリオン(BtoCエリア)の様子(ジェトロ撮影)

(注)ジェトロは、中国各地でさまざまな商品カテゴリーで消費者向け販促・PRイベントを開催し、ECによる中国市場販路開拓を希望する日本商品の販促を行っている。詳細は同イベント情報ページを参照。

(王哲)

(中国)

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