ジェトロ、マルチ・スズキとインドのスタートアップとのピッチイベントを東京で開催

(インド、日本)

ニューデリー発

2025年11月27日

ジェトロとインド自動車最大手マルチ・スズキは114日、東京のジェトロ本部で、インドなどのスタートアップ企業16社やアクセラレーターなどを招き、ピッチイベントを行った。本イベントは、20256月にジェトロとマルチ・スズキの間で締結されたイノベーション促進に係る覚書(MOU)に基づき(2025年6月9日ビジネス短信参照)、同社の運営するオープンイノベーション・プラットフォーム「Maruti Suzuki Innovation外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(以下、MSIL)」の枠組みを活用して実施された。

イベント冒頭では、マルチ・スズキのタパン・サホー副社長(デジタルエンタープライズ・情報・サイバーセキュリティ担当)があいさつし、「イノベーション分野における日本とインドの協力は重要であり、インドのスタートアップが来日し、東京でピッチを行える今回のイベントは貴重な機会である」と述べた。続いて、ジェトロ・イノベーション部の中島丈雄部長がジェトロのイノベーション事業を紹介したほか、AsiaWise法律事務所の久保光太郎氏が、日印協業連携における注意事項について講演した。

写真 あいさつに立つマルチ・スズキのタパン・サホー副社長(デジタルエンタープライズ・情報・サイバーセキュリティ担当)(ジェトロ撮影)

あいさつに立つマルチ・スズキのタパン・サホー副社長(デジタルエンタープライズ・情報・サイバーセキュリティ担当)(ジェトロ撮影)

イベントでは、来日したスタートアップ16社のうち、6社がピッチを行った。具体的には次のとおり。

  • ProSolvr:生成AI(人工知能)を活用した共同問題解決・根本原因分析のためのビジュアルワークスペースを提供し、故障や欠陥分析を支援する。
  • Eligere:企業向けAIソリューションを開発。営業やサービスの現場にリアルタイムで知識と自動化を提供する。
  • Enmovil:物流・サプライチェーン管理のためのプラットフォームを提供。明瞭な分析を通じてビジネスの意思決定を支援し、業務改善と効率的な拡張を可能にする。
  • Volar Alta:産業検査向けのドローンをベースとした先進的なサービスを展開。電力、石油・ガス、インフラ、鉱業など幅広い分野へ対応する。
  • Xane AI:コンピュータビジョンと自然言語処理を活用したBtoB SaaSプラットフォーム。ユーザー体験の向上や業務プロセスの自動化を支援する。
  • Divum AI:フルスタックの生成AIソリューションプロバイダー。高インパクトなデジタルソリューションの設計・構築を専門とする。

ピッチイベント終了後は、来日したスタートアップとイベント参加者の交流会が行われ、盛況のうちに幕を閉じた。参加したスタートアップからは「来日は今回が初めてだが、実際に日本企業と交流できたのはとても良い機会だった。今回のイベントを機に、日本企業との連携も視野に入れていきたい」との声が聞かれた。

(樋口史紀、川崎宏希、ゴーラブ・シャルマ、深津佑野)

(インド、日本)

ビジネス短信 90b794bc950a1cfb