エア・カンボジアが成田-プノンペン線を新規就航

(カンボジア)

プノンペン発

2025年11月10日

カンボジアの国営航空会社であるエア・カンボジア(注1)は、プノンペンのテチョ国際空港(注2)と成田国際空港を結ぶ航空路線を20251026日に新規就航した。週3便(水、金、日)を乗客定員170人のエアバスA320型機で運航する。

初便の出発にあわせて、テチョ空港では新規就航を祝うセレモニーが開催された。セレモニーで、カンボジア民間航空庁長官兼エア・カンボジア会長のマオ・ハーバナル氏は、「日本への航空便の運航は、新型コロナウイルスの影響で両国間のフライトが休止して以降(注3)、再開を目指してきた民間航空庁や、エア・カンボジアをはじめとする各関係機関の不断の努力による成果である。これは歴史的なイベントであり、カンボジア・日本間の観光、貿易、物流、そして人々の交流のニーズの応えるもの」と日本路線への高い期待を述べた。

写真 テープカットの様子(左からフート・ハック観光大臣、マオ・ハーバナル氏、植野篤志・駐カンボジア日本大使、ザン・デビッド・エア・カンボジアCEO)(ジェトロ撮影)

テープカットの様子(左からフート・ハック観光大臣、マオ・ハーバナル氏、植野篤志・駐カンボジア日本大使、ザン・デビッド・エア・カンボジアCEO)(ジェトロ撮影)

これまで日本からカンボジアに渡航するためには、ホーチミンやバンコク、香港などで乗り継ぎをする必要があった。エア・カンボジアの新路線は、往復ともに中国・福建省の福州を経由して運航するが、移動時間の短縮による日本、カンボジア、中国の経済的連携の強化や、ビジネスおよび観光客の往来促進に期待が寄せられている。カンボジア観光局(Cambodia Tourism Board)によると、2025年1月から8月までの8カ月間に、カンボジアを訪れた日本人は7万2,964人、うちビジネス目的は1万9,015人だった。新型コロナ禍で大きく減少した両国を往来する旅客数が、その後は増加傾向にある(添付資料表1、2参照)。エア・カンボジアの日本就航によりさらなる旅客数の増加が期待される。

プノンペン発成田行きは7時間20分、成田発プノンペン行きは8時間55分の所要時間(添付資料表3参照)となり、福州国際空港での駐機時間に待機する必要はあるが、現時点では、プノンペンと成田を最短で結ぶ航空路線となる。

(注1)カンボジア・アンコール航空が2025年1月1日に、現在のエア・カンボジアへ名称を変更した。

(注2)2025年9月9日にプノンペンの南に位置するカンダール州に開港したプノンペンの新空港。

(注3)成田-プノンペン線は2016年に全日本空輸(ANA)が直行便の運航を開始したものの、新型コロナウイルス感染症などの影響で2021年3月から運休が続いている。

(宮嶋紀輝)

(カンボジア)

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