シンガポール・韓国関係、戦略的パートナーシップに格上げ

(シンガポール、韓国、ASEAN)

シンガポール発

2025年11月04日

シンガポールのローレンス・ウォン首相兼財務相と、韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は11月2日、両国関係を戦略的パートナーシップに格上げすると発表した〔シンガポール外務省(MFA)発表資料参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。

同戦略的パートナーシップは、(1)政治・安全保障・公的部門協力、(2)貿易・経済協力、(3)持続可能性・グリーン経済・エネルギー転換、(4)先端技術・研究開発(R&D)、(5)人の交流という5つの柱にわたり、既存や新規の分野での2国間協力を深化・拡大するためのロードマップを定める。「韓国シンガポール間の戦略的パートナーシップの設立に関する共同声明」(既出MFA資料付属資料)によると、「貿易・経済協力」に関しては、相互に関心ある分野で協力を拡大するため、韓国シンガポール自由貿易協定(KSFTA)のアップグレードについて、引き続き議論することなどが含まれる。

ウォン首相、AKFTAアップグレード交渉への尽力を表明

両首脳はASEANを通じたものを含め、地域協力を強化することでも合意した。ウォン首相は同日に開催された李大統領との共同記者会見で、戦略的パートナーシップのほか、ASEAN韓国FTA(AKFTA)にも言及し、「来年(2026年)早々にAKFTAのアップグレード交渉を開始することを楽しみにしている。わたしたち(シンガポール)は韓国とASEANの調整国(注)で、共通の繁栄を強化する有意義で先見性あるアップグレードを実現することに尽力する」と語った(シンガポール首相府ウェブサイト参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

AKFTAアップグレード交渉の2026年早々に開始への合意は、10月27日に発出された第26回ASEAN韓国首脳会議の議長声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにて発表されていた。シンガポールがAKFTAアップグレード交渉の議長となる予定だ。

(注)ASEANは対話国・地域の各々に対し、ASEAN側で調整の窓口になる国(調整国)を決めている。

(朝倉啓介)

(シンガポール、韓国、ASEAN)

ビジネス短信 89197915991daf8c