パリで「iGEM Grand Jamboree 2025」開催、ジェトロも沖縄の学生を派遣

(日本、フランス)

イノベーション部エコシステム課

2025年11月27日

ジェトロは102831日、フランス・パリ市内で開催された「iGEM Grand Jamboree 2025」へ琉球大学と沖縄工業高等専門学校の学生、研究者の計3人を派遣した。今回の派遣プログラムは、ジェトロ沖縄および沖縄科学技術大学院大学(OIST外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが開催した沖縄バイオスタートアップ海外派遣プロジェクトの一環。同プロジェクトは、科学技術による地域課題へのアプローチを実証しながら、グローバル展開を視野に入れた挑戦の後押しを目的に実施されたもので、今回の派遣は国際経験・起業マインドの醸成、地域課題への科学的アプローチおよび沖縄発スタートアップのグローバル展開促進を目指したものだ。

iGEM(International Genetically Engineered Machine外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」は、2004年に開始された国際的な合成生物学コンペティションを開催しており、学生主体のプロジェクトを中心に、世界中の若者が自らの研究成果を発表し、社会課題の解決に挑む場として注目されている。

写真 会場の様子(ジェトロ撮影)

会場の様子(ジェトロ撮影)

その集大成であり、2025年で22回目の開催となるiGEM Grand Jamboree 2025では、世界中から4,600人以上、計412チームが一堂に会してプロジェクトを発表し、審査を受けた。これまでに150社以上のスタートアップをiGEM経験者が創設外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしており、次世代のバイオイノベーションを牽引する国際的なプラットフォームとして機能していることから、起業を志す学生にとっては将来的な共同研究や事業連携の足掛かりとなる大会だ。

今回ジェトロの派遣プロジェクトに参加したiGEM Okinawa外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、iGEM Grand Jamboreeへの参加のために組織されたチームで、沖縄県内の3つの高等教育機関(OIST、琉球大学、沖縄高専)から構成される学生チームだ。同チームのプロジェクトでは、沖縄のマンゴー農園に深刻な被害をもたらす外来種アザミウマ(C型)に着目し、DNA検出キットとスマートトラップを組み合わせた精密かつ環境負荷の少ない害虫管理システムの開発を進めている。

写真 iGEM Okinawaのチームブース(左)、iGEM Okinawaのチームメンバー(右)(ともにジェトロ撮影)

iGEM Okinawaのチームブース(左)、iGEM Okinawaのチームメンバー(右)(ともにジェトロ撮影)

iGEM Okinawaチームは、3日間の審査の結果、社会実装への取り組み、教育・普及活動、チーム運営などの複数評価項目を達成したチームのみに送られるゴールドメダルを受賞した。チームリーダーで現在OISTの博士課程2年目の小野 俊祐氏は、今回の参加を通じて「研究室は基礎的な部分が多いため、社会実装の際に自身の技術がどうスタートアップにつながっていくかという部分に着目したい」と語った。

次回のiGEM Grand Jamboreeは、2026年11月13~16日に開催予定。

(小幡玲奈、高濱凌)

(日本、フランス)

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