ブラジル中銀、政策金利を3会合連続で15%に据え置き
(ブラジル)
サンパウロ発
2025年11月07日
ブラジル中央銀行は11月5日、金融政策委員会(Copom)を開催し、政策金利(Selic)を15%に据え置くことを決定した。3会合連続の据え置きで、市場予測どおりの結果となった。
Copomは声明で、前回会合と同様に「外部環境では米国の経済政策の影響により、不確実性が高まっている」と指摘した。その上で「国内経済は、活動の鈍化が予想どおりに進む一方、労働市場は堅調さを維持している。インフレ率を目標に収束させるには、長期的な金融引き締め政策が必要」との見解を示した。
10月31日付の中銀週次レポート「フォーカス」(注1)によると、2025年の拡大消費者物価指数(IPCA、注2)上昇率予測は4.55%で、中銀のインフレ目標範囲(1.5~4.5%)をわずかに上回っている。Copomは、政策金利を現在の水準で長期的に維持することで、インフレ率を目標水準に戻すことが可能との認識を示した。
全国工業連盟(CNI)は11月5日、公式サイト上で「現在の金利水準は必要以上のコストをもたらし、雇用市場や人々の生活を圧迫している。ブラジルは世界で2番目に高い実質金利を維持しており、生産部門に深刻な打撃を与えている」として、今回の決定を批判した。一方、サンパウロ州商業連盟(Fecomercio SP)は同日、公式サイト上で、インフレ率は下降傾向にあるが、サービス分野のインフレ率は上昇しており、雇用も活性化しているため、リスクは依然として高い水準にあり、今回の決定は「適切な判断だった」と評価した。
(注1)フォーカスは、中銀が国内100以上の金融機関を対象に行ったアンケートを集計し、予測などをまとめたもの。毎週金曜日に集計を行って平均値を算出し、翌週の月曜日に公表する。
(注2)ブラジルの代表的な物価指数。
(エルナニ・オダ)
(ブラジル)
ビジネス短信 7faca3bc0194c897




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