チリ大統領選の直前、候補者による最後の討論会が行われる
(チリ)
サンティアゴ発
2025年11月12日
チリ大統領選挙の投開票を11月16日に控え、10日に8人の大統領候補者による最後の公開討論会がテレビ中継で実施された。選挙戦で最も緊張感の高い直接対決となり、各候補者が不法移民と治安に関する安全保障、年金や教育といった社会経済政策、政府の基本方針といった主要争点について、激しく議論を交わした。特に治安悪化への対応や経済格差の是正策を巡って、意見が鋭く対立した。
主要候補者4人のうち、世論調査で最も支持率の高いジャネット・ハラ氏(左派・共産党)は社会保障の強化と労働者保護を訴え、穏健ながらも一貫した政策姿勢を示した。ハラ氏に次ぐ2番手のホセ・アントニオ・カスト氏(右派・共和党)は治安対策と移民規制を前面に押し出しつつも、冷静かつ客観的な視点で注目を集めた。3番手のエブリン・マテイ氏(中道右派連合・チレ・バモス)は経済成長と投資促進を軸に現実的な政策を提示した。マテイ氏と3番手を競り合うヨハネス・カイザー氏(保守・国家リバタリアン党)は自由市場の徹底と国家の役割縮小を主張し、治安対策に強硬な姿勢を示した。
今回の討論会で際立ったのはハラ氏とカスト氏で、左右両極の立場から有権者の関心を強く引きつけた。選挙戦は最終局面を迎えており、今後の動向が注目される。
大統領選は11月16日に投開票が行われ、1回目の投票でどの候補者も過半数の票が得られない場合、12月14日に上位2人による決選投票が行われる予定だ。
(橋爪優太)
(チリ)
ビジネス短信 6d59957b42ed8c80




閉じる
