第2回トルコ・日本投資フォーラム開催、クリエイティブ経済に機会

(トルコ、日本)

調査部中東アフリカ課

2025年11月14日

ジェトロは1111日、トルコ大統領府投資・財務局と国連工業開発機関(UNIDO)との共催で、「第2回日本・トルコ投資フォーラム」を東京で開催した。202411月(2024年11月18日記事参照)に続く2回目の開催で、両国の政府や企業関係者など約270人が出席した。

トルコ大統領府投資・財務局のアフメト・ブラク・ダールオウル総裁は基調講演のトルコ経済の説明の中で、特に同国のクリエイティブ経済の潜在性を紹介した。同総裁は、クリエイティブ経済の中でもトルコの映像産業は、世界に影響を与える主要な輸出産業であるとした。また、トルコは収益8億ドル超、700以上の稼働スタジオを擁し、有数のゲーム産業の拠点となっているとした。

写真 基調講演を行うトルコ大統領府投資・財務局のアフメト・ブラク・ダールオウル総裁(トルコ大統領府投資・財務局提供)

基調講演を行うトルコ大統領府投資・財務局のアフメト・ブラク・ダールオウル総裁(トルコ大統領府投資・財務局提供)

イスタンブール金融センター(IFC外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのアフメト・イヒサン・エルデム最高経営責任者(CEO)は、「イスタンブールを新たな金融ゲートウェイとして位置付け」と題したプレゼンテーションを行った。同氏は、東京や米国のニューヨークなどの16のタイムゾーンを同日にカバーできるなどのイスタンブールの地理的利点を強調した。さらに、IFC内での金融サービス輸出益は法人税の対象外になる(注)といった税制のメリットや、IFCの敷地内に各種申請手続きのための複数の公的機関が窓口を設置しているといった利便性を強調した。

写真 プレゼンテーションを行うイスタンブール金融センター(IFC)のアフメト・イヒサン・エルデム最高経営責任者(CEO)(トルコ大統領府投資・財務局提供)

プレゼンテーションを行うイスタンブール金融センター(IFC)のアフメト・イヒサン・エルデム最高経営責任者(CEO)(トルコ大統領府投資・財務局提供)

パネルディスカッションでは、ソフトパワーを活用したトルコの新たなビジネス機会創出のため、「クリエイティブ経済の解放:トルコと日本の協力機会」をテーマに、パネリストとしてトルコテレビラジオ局(TRT)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、イスタンブールに拠点を置くベンチャーキャピタルのボアジチベンチャーズ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、学研トルコ、ジェトロ・イスタンブール事務所が参加した。150カ国以上に展開するTRTの広告ディレクターのムスタファ・イルベイリ氏は、世界的にも高い評価を受ける日本のコンテンツを称賛した上で、日本へのさらなるビジネスの拡大に意欲を示した。また、学研トルコの畑中慶代表取締役は、トルコと日本の人材の共通点として、若者が新たなスキルを学ぼうとする意欲が高いことや、チームワークを重んじることを挙げた。

写真 パネルディスカッションの様子(トルコ大統領府投資・財務局提供)

パネルディスカッションの様子(トルコ大統領府投資・財務局提供)

西アナトリアフリーゾーン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの外国投資シニアアドバイザーのウミット・ヤルチュン氏は「既に100を超える外資系企業が入居しており、日本の投資家や製造業の企業にぜひ関心を持ってほしい」と参加者に呼びかけた。同フリーゾーンは、現在19あるトルコのフリーゾーンの中で最も新しく、トルコの輸出の5%が同フリーゾーンから行われているという。

写真 西アナトリアフリーゾーンの外国投資シニアアドバイザーのウミット・ヤルチュン氏(トルコ大統領府投資・財務局提供)

西アナトリアフリーゾーンの外国投資シニアアドバイザーのウミット・ヤルチュン氏(トルコ大統領府投資・財務局提供)

(注)2031年まで適用され、それ以降は控除率が75%となる。

(加藤皓人)

(トルコ、日本)

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