サムスン電子、第3四半期の売上高が過去最高を記録

(韓国)

ソウル発

2025年11月06日

サムスン電子は10月30日、2025年第3四半期(7~9月)の業績(連結ベース)を発表した。売上高は前年同期比9%増の86兆1,000億ウォン(約9兆4,710億円、1ウォン=約0.11円)と、四半期ベースで過去最高を記録した。営業利益は3兆ウォン増の12兆2,000億ウォンだった(添付資料表1、表2参照)。

サムスン電子は第3四半期の業績について、次のように総括している。

  • DX(Device eXperience)部門は、折りたたみスマートフォンの新モデルの販売開始とフラグシップ・スマートフォンの堅調な販売で、前期に比べ売上高が11%増加した。
  • DS(Device Solutions)部門は、HBM(高帯域幅メモリー、High Bandwidth Memory)3Eとサーバー用SSD(Solid State Drive)の販売拡大で、メモリー分野の売上高が四半期ベースで過去最高を記録した。これによりDS部門の売上高は前期比19%増となった。特に、HBM3Eは全顧客に対する量産体制が構築され、HBM4もサンプル出荷を要請したすべての顧客にサンプルを出荷した。

同社発表の第3四半期の部門別業績は次のとおり。

(1)DX(Device eXperience)部門(家電、IT、モバイルなど)

MX(Mobile eXperience:無線通信機器事業)は、「ギャラクシーZフォルダ7」の販売が好調で、前期および前年同期に比べ売上高、営業利益がともに増加した。また、フラグシップ製品の売上高比率拡大とタブレット・ウェアラブル新製品の販売増加で、営業利益率は2桁を維持した。VD(Visual Display)は、Neo QLED(量子ドット有機EL)、OLED(有機EL)、大型テレビなどのプレミアム製品の販売は堅調だったが、テレビ市場の需要停滞と競争激化で、前期に比べ営業利益が減少した。DA(Digital Appliances)は、季節的な需要鈍化と米国の輸入関税の影響で、前期に比べ営業利益が減少した。

(2)DS(Device Solutions)部門(半導体など)

メモリーはHBM3Eの販売拡大とDDR5(Double Data Rate 5)、サーバー用SSDなどの需要増加で、四半期ベースで過去最高の売上高を記録した。営業利益は製品価格の上昇と前期に発生した在庫関連の費用の減少により、大幅に改善した。システムLSI(大規模集積回路)は、市場全般の在庫調整と季節的な需要鈍化で業績が停滞した。ファウンドリーは、先端工程を中心に四半期ベースで過去最高の受注実績を達成し、一過性の費用の減少やライン稼働率の改善などもあり、前期に比べ大幅な業績改善となった。

(3)SDC(サムスンディスプレー)

中小型パネルはフラグシップ・スマートフォンに対する堅調な需要と新製品の販売開始により、販売量が増加した。大型パネルはゲーミングモニターの需要増加により、販売量が増加した。

(4)ハーマン・インターナショナル

消費者向けオーディオ製品の好調な販売と車載事業分野の売上高増加により、前期に比べ売上高が増加した。

(李海昌)

(韓国)

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