ペルー労働監督庁、検査対象企業の選定にAI活用へ
(ペルー)
リマ発
2025年11月25日
ペルー労働監督庁(SUNAFIL)は、雇用状況に関する立ち入り検査の対象企業の選定に人工知能(AI)と政府機関が有するデータを活用する方針を決めた(現地ビジネス誌「セマナエコノミカ」11月15日付)。
具体的には、国税庁(SUNAT)、生産省、銀行保険年金基金監督庁(SBS)、情報通信民間投資監督庁(OSIPTEL)、エネルギー鉱業投資監督庁(OSINERGMIN)がそれぞれ運用しているデータベースの情報を連携させ、AIを用いて不正雇用の可能性がある情報を検出する。例えば、企業が各政府機関に提出した届け出内容、法的に作成が義務付けられている従業員の勤務台帳、給与明細のデータをAIでスクリーニングし、整合性の取れないデータの組み合わせを抽出する。これまで検査対象企業の選定はSUNAFIL職員の経験に基づく裁量の部分も多かったが、AIを用いて選定の精度を高める狙いがある。
課題は、適正なAIの活用と安全な情報管理体制の構築だ。SUNAFILは11月19日、マルウェア感染により11月12日から同庁内情報システムが使えなくなっていることを明らかにした(プレスリリース参照
)。19日時点で外部への情報流出は見つかっておらず、原因は調査中としている。当面の間、手続きや相談などは全国の事務所の対面窓口で受け付け、電子媒体による情報送付が必要な場合は一部の電子メールアドレスを用いて対応するとしている。
(石田達也)
(ペルー)
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