第3四半期のGDP成長率は前年同期比1.6%に鈍化、投資は大幅増、消費も堅調
(チリ)
サンティアゴ発
2025年11月25日
チリ中央銀行は11月18日、2025年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率が前年同期比1.6%だったと発表した。第2四半期(4~6月)の3.3%から大きく鈍化し、2024第2四半期(1.2%)以来の低水準となった。
GDPを需要項目別に見ると、内需は前年同期比5.8%増加し、投資と消費の拡大が寄与した(添付資料表1参照)。民間消費は2.9%増だった。耐久財、非耐久財、サービスの全ての項目で消費が増加した。民間消費の増加を牽引したサービスの中では特に医療、飲食・ホテル、交通機関への支出が目立った。非耐久財では衣料品や食料品、耐久財ではテクノロジー製品への支出が増加した。総固定資本形成は輸送機器(トラック・バス)や機械・電気電子機器への投資増により10.0%増加し、2022年第2四半期以来の高い伸びを記録した。
財貨・サービスの輸出入は、輸入が12.8%増加した一方、輸出は横ばいだった。財貨輸出は銅の出荷量減少により0.6%減少したが、金や食料品、化学製品は増加した。サービス輸出は観光関連の支出増で4.6%増加した。財貨輸入は機械設備や輸送機器が牽引し、サービス輸入では企業向けサービスが最も高い伸びを示した。
経済活動別では、商業と個人・企業向けサービスが成長を支えた(添付資料表2参照)。一方で鉱業は銅生産の減少により縮小した。中央銀行は、鉱石品位の低下や7月末に発生したチリ国営銅公社(CODELCO)傘下のエル・テニエンテ銅山の事故による操業停止の影響を指摘している。
前期比ではマイナス0.1%(季節調整済み)だった。在庫と純輸出の変動が主因だった。
実質国民可処分所得は前年同期比3.0%増加し、総貯蓄額はGDPの26.2%に相当する。また今般中央銀行は2025年第1四半期と第2四半期のGDP成長率をそれぞれ2.6%、3.3%に上方修正した。
(橋爪優太)
(チリ)
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