遼寧省、1~9月の成長率は4.3%、全国平均を下回る

(中国)

大連発

2025年11月05日

中国の遼寧省統計局は10月23日、同省の2025年1~9月の主要経済指標を発表した。同省の同期の域内総生産(GRP)は前年同期比4.3%増の2兆4,283億9,000万元(約50兆9,962億円、1元=約21円)となり、中国全体の成長率(5.2%、2025年10月22日記事参照)を0.9ポイント下回った(添付資料表参照)。

2025年1~9月の主要経済指標をみると、一定規模以上の工業企業(注1)による工業生産増加額(付加価値ベース)は前年同期比2.2%増だった。産業別にみると、「採掘業」「製造業」「電力・熱エネルギー・ガスおよび水の生産・供給業」がそれぞれ9.0%増、1.4%増、0.3%増となった。製造業のうち、化学原料・化学製品製造業、自動車製造業がそれぞれ5.1%減、5.4%減となった一方、鉄道・船舶・航空宇宙・その他輸送機器製造業(48.1%増)や医薬製造業(13.2%増)などはそれぞれ2桁増となったほか、化学繊維製造業(9.4倍)の伸びが目立った。また、製品別に生産量をみると、エチレン(5.1%減)、自動車(10.1%減の59万6,000台)が減少した一方、変圧器(63.1%増)、民間鋼船(54.6%増)、工業ロボット(4.0%増)などが増加した。

固定資産投資は前年同期比9.1%減となった。そのうち、不動産開発投資は前年から引き続き減少(前年同期比27.8%減、2024年通年は前年比20.0%減)した。他方、製造業の投資は12.0%増となっている。

社会消費品小売総額(消費)は前年同期比4.1%増となった。一定規模以上の企業の小売額(注2)のうち、家電・AV機器類(51.0%増)、家具類(49.2%増)、通信機器類(33.2%増)の伸びが目立った。ほかに、新エネルギー車の販売額は10.2%増となった。

貿易総額は前年同期比1.3%減の5,662億1,000万元で、全国平均(4.0%増)の伸びを5.3ポイント下回った。税関統計によると、主要商品別では、機電製品が輸出の5割強(9.4%増の1,540億元)を、輸入の3割弱(10.2%減の742億9,000万元)を占めた。貿易総額の国別では、日本(4.0%増の653億3,000万元)、韓国(8.3%増の506億3,000万元)、マレーシア(24.6%増の492億8,000万元)が上位3位となった。

(注1)その年の主な業務による売上高が2,000万元以上の工業企業。

(注2)その年の主な業務による売上高が2,000万元以上の卸売企業、その年の主な業務による売上高が500万元以上の小売企業、その年の主な業務による売上高が200万元以上の飲食および宿泊企業。

(李穎)

(中国)

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