米国南東部に新たなビジネス機会を探す、サウスカロライナ州に自動車ミッション派遣
(米国、日本、ドイツ)
アトランタ発
2025年11月25日
ジェトロは11月17~19日、日本企業関係者約20人で構成される自動車分野のビジネス環境視察ミッションを米国サウスカロライナ(SC)州に派遣した。同州では、1990年代半ばから外国資本の自動車関連企業の集積が始まり、ドイツのBMW、フォルクスワーゲン(VW)、メルセデス・ベンツやホンダといったOEMの工場や関連企業が多く立地している。2025年2月には、いすゞノースアメリカコーポレーションが同州に新たな生産拠点を設立すると発表した(2025年2月13日記事参照)。
本視察ミッションでは、州都コロンビアに加え、自動車製造関連企業の半数が立地する同州北西部グリーンビル、完成車の港別輸出額で全米3位(2024年)の港を擁するチャールストンなど主要都市を訪問した。視察先として、自動車部品製造のロバート・ボッシュやメルセデス・ベンツ・バン(MBV)の生産施設、チャールストン港や同港と直結する内陸部の物流拠点グリア・インランドポート(IPG)などを見学したほか、州・郡政府関係者、教育・研究機関との将来的な協業・連携を見据えた意見交換、ネットワーキングを行った。
グリア・インランドポート視察の様子(ジェトロ撮影)
初日には、ハリー・ライツィ州商務長官から参加企業に歓迎の意向が伝えられ、「州内には内燃機関、ハイブリッド、電気自動車(EV)と複数の技術分野に対応する自動車関連企業が300社以上集積している。日本企業との連携が実現することを楽しみにしている」と期待が寄せられた。また、訪問したボッシュやMBVからは、部品の現地調達化を進めることが課題となっており、SC州内、あるいは近隣州で生産する日本企業からの調達に取り組みたいといった発言があった。
プログラムに参加した日本企業からは、「欧州系の自動車関連企業を訪問し、調達担当者と直接話せた。1社では到底実現できず、ミッションに参加した最大の成果だった」「物流でチャールストン港を利用するが、実際のオペレーションを見たことがなかったため良い情報収集の機会になった」といった声が寄せられた。
ライツィ商務長官(後列右から4人目)とミッション参加者(ジェトロ撮影)
(伊藤実佐子、檀野浩規)
(米国、日本、ドイツ)
ビジネス短信 4d933dff6333cf78




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