韓中首脳会談が開催、戦略的協力パートナー関係の発展に向け通貨スワップ協定などを締結
(韓国、中国)
ソウル発
2025年11月05日
韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は11月1日、APEC首脳会議に出席するため訪韓した中国の習近平国家主席を国賓として迎え、就任後初となる韓中首脳会談を行った。会談は慶州市の慶州博物館で実施された。習国家主席の韓国訪問は11年ぶり。
首脳会談の内容について、韓国・大統領室は次のように説明している。
- 李大統領は冒頭発言で「韓中間の経済協力構造が垂直的分業から水平的協力に変化している状況下で、両国間の互恵的な協力関係も、時代の流れに合わせてさらに発展していかなければならない」と述べた。それに対して、習国家主席は「中韓関係の良好で安定的な発展を推進することは、両国国民の根本的な利益に合致し、時代の流れに順応する的確な選択だ」と応じ、韓中関係の重要性について確認した。
- 最近、中国と北朝鮮が高官級の交流を活発に行っていることを踏まえ、李大統領は「このような良好な条件を活用し、北朝鮮との対話再開のために韓中両国が戦略的な意思疎通を強化することを期待する」と述べた。習国家主席も「中韓の戦略的協力パートナー関係の安定的で長期的な発展を推進し、地域平和・発展のためにさらに努力する用意がある」と応じた。
- これまでの韓中関係をもとに、両首脳は時代の変化に歩調を合わせた韓中の戦略的協力パートナー関係のさらなる発展を推進していくことで意見が一致した。また、そのために、両国政府間の政治的信頼を維持し、民間レベルでも並行して友好的信頼を積み重ねていくことを確認した。
首脳会談の終了後に、経済分野での協力を具体化するため、両国中央銀行間で通貨スワップ協定が、両国政府間で6件の了解覚書(MOU)がそれぞれ締結された。
通貨スワップ協定は、5年満期70兆ウォン(約7兆円、1ウォン=約0.1円)規模で締結され、両国の金融・外国為替市場の安定と貿易促進に貢献できることが期待される。6件のMOUは次のとおり。(1)韓中経済協力共同計画(2026~2030年)に関するMOU、(2)韓中FTA(自由貿易協定)サービス・投資交渉の実質的進展によるサービス貿易、交流・協力強化に関するMOU、(3)シルバー産業分野の協力に関するMOU、(4)革新創業分野の協力に関するMOU、(5)韓国産農産物の中国向け輸出の円滑化に関するMOU、(6)ボイスフィッシング・オンライン詐欺犯罪対応協力に関するMOU。
(橋爪直輝)
(韓国、中国)
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