トルコの食品産業ミッション団が訪日、大阪で商談交流会を開催

(日本、トルコ)

大阪本部海外ビジネス推進課

2025年11月18日

トルコの中央アナトリア穀物・豆類・油糧種子等製品輸出機構(OAiB)は1113日、同国の食品産業ミッションの日本派遣に伴い、大阪商工会議所が共催、ジェトロが後援して、商談交流会を大阪で開催した。

トルコは世界有数の農業生産大国で、主な輸出品目は小麦粉、ヒマワリ油、ビスケット、パスタ、菓子、ココア・同調製品などだ。OAiBはこれらの農産品や製品の輸出促進に向けて1991年に設立された団体で、加盟企業数は約2,700社に上る。今回の訪日ミッションはOAiBにとって2回目で、東京と大阪でそれぞれ商談会を開催した。OAiBのムサ・デミル事務局長によると、「2023年に初めて派遣した訪日ミッションの結果が良かった。その後、日本市場参入に向けたレポートを作成して共有したところ、会員企業が対日ビジネスの潜在性の高さに気が付いた。今回のミッション派遣はそれを受けた2回目で、レポートを熟読の上、しっかりと準備して臨んだ」と語った。今回、東京に加えて大阪でも商談会を開催した理由は、「大阪が日本の食品商取引で重要な役割を担っているためだ」と述べた。

写真 あいさつするOAiBのムサ・デミル事務局長(ジェトロ撮影)

あいさつするOAiBのムサ・デミル事務局長(ジェトロ撮影)

在日トルコ大使館のセダット・ユルドゥズ商務参事官は両国経済関係と対日食品輸出の取り組みについて説明した。トルコ進出日系企業数は275社、日本の対トルコ直接投資額は334,000万ドルに上るとし、「味の素、日清食品、ダイドードリンコ、日本ハム、極洋などの日本の食品メーカーが進出している」と説明した。他方、両国間の貿易については、2024年の日本の総輸出入額に占めるトルコの割合が低い現状に触れた上で、「対日輸出では、経済連携協定(EPA)を締結している国・地域が有利となり、価格面で競争力のあるトルコの優位性が生かせていない」と述べた。

また、同氏は、対日輸出している主な食品は「パスタ、チョコレート、油脂類などだが、潜在性があるのはパスタと植物油」と指摘している。「パスタは日清製粉のトルコ進出によって競争力の向上が想定され、植物油については、日本の揚げ物文化と健康志向にトルコ産植物油は柔軟に対応できる」と解説した。市場参入戦略としては「毎年23月に東京で開催される『スーパーマーケット・トレードショー』や『FOODEX JAPAN』に出展することや、訪日ビジネスミッションを派遣することで、まずは日本での認知向上に努めたい」と語った。

写真 セダット・ユルドゥズ商務参事官による説明(ジェトロ撮影)

セダット・ユルドゥズ商務参事官による説明(ジェトロ撮影)

企業紹介セッションでは、冷凍ベーカリー、植物油、エッセンシャルオイル、砂糖菓子、缶詰、タヒニ(練りゴマペースト)、ジャム、ピクルス、ソース、菓子、チョコレート、パスタ、シロップ、粉末食品、豆類などの製品を扱い、輸出実績が豊富なトルコ企業10PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)が登壇した。イベント後半には商談交流会もあり、活発なやり取りが行われた。

写真 商談交流会の様子(ジェトロ撮影)

商談交流会の様子(ジェトロ撮影)

(齋藤寛)

(日本、トルコ)

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