モルディブの食品・観光関連見本市にジェトロが出展、植物性由来食品への注目も

(モルディブ)

コロンボ発

2025年11月18日

モルディブ最大規模の食品・観光関連見本市「Hotel Asia」が10月20~22日にフルマレ島で開催され、食品や食器、ホテルの設備やインテリア分野を中心に300社以上が展示し、48カ国以上からホテルの調達担当者などが来場した。モルディブは世界有数の国際観光地で、国内の各リゾートホテルには40店舗以上の日本食レストランがあり、人気を集めている(添付資料表参照)。

ジェトロは、「日本産食品グローバル・ゲートウェイ事業」の一環として広報ブースを出展し、海外バイヤーに日本産食品を紹介した。来訪者からは、知名度の高い抹茶や和牛に加えて、菓子や調味料へ関心が寄せられ、「モルディブでは抹茶の人気が高まっている」「日本食レストランを開業予定で、複数の調味料を購入したい」「モルディブでは日本食材をどこで購入できるのか」という声が上がった。また、ビーガンに対応した、群馬県産のこんにゃく製品も注目を集めた。

出展企業である不二製油(本社:大阪府泉佐野市)は、植物性素材で表現した、牛肉風だし、かつお風だし、豚骨風の濃縮ラーメンスープを来訪者に紹介した。モルディブは国教がイスラム教であり、宗教上、豚肉が禁忌だが、同社製品はこの禁忌に抵触しない。試食した来場者の多くがその味を高く評価した。

同社の風味基材事業部のシエルボラポング・ウイパビー氏は、モルディブ市場について「日本文化や日本食の人気が高まる一方で、本格的な日本製品を入手しにくい地域だからこそ、大きなビジネスチャンスを感じた」と強調した(インタビュー日:10月29日)。

かつおまた、同部の田中陽子氏は、本見本市について「これまでに出展した他の海外見本市と比べると規模はコンパクトだが、業界の主要関係者が出展しており、商談・情報収集の密度・確度は随一だった。モルディブに加えて中東地域の代理店候補企業も発掘できた。モルディブは欧州からの観光客が多く(注)、日常的に欧州の富裕層向けに料理を提供しているシェフから、自社商品へのフィードバックも得られた」と話した。

写真 ジェトロが出展した日本食品紹介のブース(ジェトロ撮影)

ジェトロが出展した日本食品紹介のブース(ジェトロ撮影)

(注)モルディブ観光省によると、2025年1~9月のモルディブの外国人観光客数は163万6,489人で、このうち欧州からの観光客が57.7%(94万4,751人)を占める。

(大井裕貴)

(モルディブ)

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