アブダビでエネルギー産業展示会「ADIPEC 2025」開催
(アラブ首長国連邦、日本)
海外ビジネスサポートセンターサステナブルビジネス課
2025年11月25日
アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで11月3~6日、世界最大級のエネルギー産業展示会「ADIPEC 2025(Abu Dhabi International Petroleum Exhibition and Conference)」が開催された。アブダビ国営石油会社(ADNOC)が主催するADIPECは1984年以降毎年開催されており、2025年が41回目の開催、172の国・地域が参加、前年より約17%増加の23万9,709人の来場者数を記録した(プレスリリース
)。
ADIPEC2025のテーマは「エネルギー・知性・影響力(Energy. Intelligence. Impact)」。成長を支えるエネルギー、革新を推進するための人間・人工の知性、そしてビジョンを現実へと変える影響力の必要性を表明している。テーマに即し、世界各国のビジネスリーダー、政府機関、研究機関関係者らがエネルギーの未来や課題について議論を交わした。
開会式で、UAE産業・先端技術相で、ADNOCの最高経営責任者(CEO)でもあるスルタン・アハメド・アール・ジャーベル(Sultan Ahmed Al Jaber)氏は、世界のエネルギー需要は今後増大し、移動手段のみならず、材料や化学製品への利用が高まると示唆、代替ではなく強化が必要であると述べた。また、エネルギーでさらなる世界発展を実現するため、AI(人工知能)の積極的導入、インフラ整備、年間4兆ドル(約620兆円、1ドル=約155円)の投資、実効性のある政策が必要だと強調した。
展示会場には2,200社以上の企業・団体が出展した。日本の経済産業省主催によるジャパンパビリオンも設置され、日本企業8社が出展し、AIや脱炭素などに関する技術が紹介された。また、横河電機やINPEXなど10社以上の日本企業も単独ブースを設け、多くの来場者との交流をはかった。ある日系企業の出展者は、「従前はエネルギーの関連企業の役員、幹部、企業担当者が多く参加していたが、今回はコンサルや金融機関の来場者も多く、投資動向を見極めるための情報交換の場になっている。また、中東地域だけでなく、日本企業が中東(企業との連携)を軸にアフリカ・中央アジアなどの周辺地域に進出する可能性などに関する引き合いが多かった」と述べ、中東を軸とした、エネルギーインフラが未整備の地域との投資連携に対する企業関係者の高い関心がみられた。
展示会場の様子(ジェトロ撮影)
ジャパンパビリオンの様子(ジェトロ撮影)
次回のADIPECは、2026年11月2日から5日の開催が発表されている。
(木村ローズマリー梨花、石川毅、大野晃三)
(アラブ首長国連邦、日本)
ビジネス短信 47ea9580d117cd01




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