TPP委員会、ウルグアイの加入手続き開始を決定、ASEANとの貿易投資対話も初開催
(ASEAN、インドネシア、日本、オーストラリア、カナダ、チリ、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、英国、ウルグアイ、アラブ首長国連邦)
ジャカルタ発
2025年11月27日
環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)加入エコノミーは11月21日、オーストラリア・メルボルンで第9回TPP委員会(閣僚級会合)を開催した
。同委員会では、CPTPPへの加入申請エコノミーとしてウルグアイ、アラブ首長国連邦(UAE)、フィリピン、インドネシアが特定された。特に、ウルグアイについては加入手続きの開始が決定された。また、他の加入申請エコノミーについても、適切な場合には、2026年に加盟手続きを開始する方針が示された。
第9回TPP委員会に先立ち、11月20日に、CPTPPとASEANが「第1回CPTPP・ASEAN貿易投資対話」を開催した。会合後の閣僚声明(原文
、仮訳
)では、ASEAN主導の枠組みにおけるASEANの中心性や、主権・平等・領土保全・不干渉・コンセンサス・多様性を尊重した結束の原則に基づく、インド太平洋に関するアウトルック(AOIP)の実施への支持を再確認した。また、CPTPP加盟国とASEAN加盟国の間で7つ共通理解が得られ、特に、貿易や投資のルールに関して予測可能性や透明性を確保して実施する必要性が強調された。さらに、「貿易や投資の自由な流れを阻害し、強靭(きょうじん)なサプライチェーンに影響を与え、過剰生産を引き起こすような、市場歪曲(わいきょく)的な慣行への懸念」や「経済的な脆弱(ぜいじゃく)性および依存を悪用しようとする経済的威圧への懸念」が共有された。
デジタル分野では、データ流通の円滑化やビジネスと消費者の信頼性向上のための協力継続が明記され、ASEANで交渉中のASEANデジタル経済枠組み協定(DEFA)を含む、多国間議論の重要性に留意するとした。WTOの枠組みで議論が進む、電子的送信に対する関税不賦課のモラトリアムへのコミットメントが再確認され、全てのWTO加盟国に対し、デジタル経済の確実性を保証し、継続的な成長を持続させるための長期的な解決策に向けた作業を呼びかけた。
インドネシア経済担当調整府は11月21日のプレスリリース
で、同国が加入申請エコノミーとして特定され、加入プロセスの継続が確認されたことを「前向きに受け止める」と表明した。アイルランガ・ハルタルト経済担当調整相は「CPTPPの規定は(インドネシアが既に加盟している)WTOや地域的な包括的経済連携(RCEP)、ASEANの枠組み、OECD加盟プロセスなどで合意済みである」と説明した。そのうえで、「CPTPPにおけるコミットメントを満たすために必要な法規制の調整はわずかだ」と強調した。
(大滝泰史)
(ASEAN、インドネシア、日本、オーストラリア、カナダ、チリ、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、英国、ウルグアイ、アラブ首長国連邦)
ビジネス短信 460f25113e352fc3




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